アメリカ目線に偏らずにニュースを見てみよう

池上 さて、次は中国です。

■中国/習近平国家主席

池上「あまり頑張らないで」

増田「よくできました」

池上 意外ですね。どうしてですか?

増田 「よくできました。だから、もういいです」とつながるんです(笑)。習近平さんは経済的に中国を繁栄させたことは評価できます。でも、国民が自由に情報を得られなかったり、国家に反逆的なことを言う人を許さなかったりするから、「もういいでしょ」と思っています。

池上 あ、なるほど。つまり、すごく皮肉な評価というわけですね(笑)。最近、北朝鮮の金正恩委員長が2回にわたって習近平国家主席と会っています。北朝鮮側は「中国の開放政策を参考にしながら、中国の支援を受けて北朝鮮を変えたい」と習近平国家主席に伝えたといわれているんです。

増田 板門店で金委員長と文統領が二人きりで話した時も、改革・開放について話したといわれていますね。

池上 この後、アメリカとの話し合いでアメリカが体制を保障すると言えば、北朝鮮が劇的に変わる可能性があります。北朝鮮を巡るニュースからは目が離せませんね。 さて、次はプーチン大統領にいきましょう。

■ロシア/ウラジーミル・プーチン大統領

池上「あまり頑張らないで」

増田「よくできました」

増田 プーチン大統領の本を読んでみたら、生い立ちや人間味あふれる話が書いてあって、優しい人だと感じたし、国について一生懸命考えていることが伝わってきたんです。それに、プーチン大統領はどこかの国のリーダーと違って、資料は細かい部分まですべて目を通して、自分で考えて政策を立てている点は評価に値しますよね。

池上 どこかの国のリーダー(笑)……確かにそうですね。アメリカのロナルド・レーガン氏や息子のブッシュ氏は、「A4の紙1枚にまとめろ」と言い、クリントン氏とオバマ氏は資料をすべて読みこんでいた。でも、今のトランプ大統領はA4の紙すら読まず、「何が書いてあるか説明せよ」と言うそうです。

増田 プーチン大統領は「アメリカは自分たちが正しいと思ったことが正しい国なんだ」と分析しています。まさにトランプ大統領 はその典型でしょう。

池上 日本ではアメリカのニュースが多いから、国際ニュースを見るとき知らず知らずのうちにアメリカの視点で世界を見てしまうんですね。でも、たまには違う国の視点で見ると、違うものが見えてくると知っておいたほうがいいでしょう。

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