モテ期の20代、彼氏候補は次々現れるけど

 「最後の2年間ぐらいは、遠距離恋愛であることをいいことに合コンに参加したりしていました。ときどき上京して会いに来てくれる彼はそれでも優しくて、深夜まで残業している私を寒い季節でも外で待っていたりしたんです。東京で頑張っている私のことを誇らしく思ってくれていました。あんなにいい人なのに、私は裏切っていたんですね……」

 今では反省している明美さんですが、当時はかなり調子に乗っていたようです。激務の間にも月に1回ぐらいは合コンに参加でき、男性からアプローチされることも少なくありませんでした。その中で明美さんは背が高くてスマートなパイロットに出会います。4歳上の大輔さん(仮名)です。

 「この人カッコいい~、と思っていたら食事に誘ってくれました。夜は仕事がいつ終わるか分からないと言ったら、お昼時に会社の近くまで会いに来てくれたんです。すぐに、新しい彼氏ができた! と有頂天になりました」

 明美さんは当時26歳。今度こそ恋愛の延長に結婚できる相手と付き合いたいと思っていた頃でした。有頂天になるのも無理はありません。ところが、合コンのメンバーに確認したところ、大輔さんは既婚者であることが判明します。2回目のランチの際に伝えると、大輔さんは悪びれもせずにこう言い放ったのです。

 「嫁はCA(キャビンアテンダント)だから家にいないことが多い。たぶん、もうすぐ離婚する。そんなオレと付き合いたくないの?」

 うーん、いろんな意味で不誠実な男性ですね。まっすぐに自分を愛してくれる新一さんと長く付き合っていた明美さんはショックを受け、大輔さんとの連絡は断ちました。

 それでも明美さんのモテ期は続きます。これまた合コンで出会った康平さん(仮名)に声をかけられたのです。明美さんより6歳年上で、大手広告代理店に勤務。実家は都内の高級住宅地にあり、東京のオシャレな店や遊び場をよく知っている「お坊ちゃん」でした。

 「私は普段はサンダル履きでブラブラしているような女です。でも、彼に高級ホテルのシックなバーに連れて行ってもらったりして、自分が知らない大人の世界に酔ってしまいました」

 仕事では男性と同じかそれ以上に頑張り、恩義のある会社に貢献するために走り続けていた明美さん。一方では、「カッコ良くて頼りがいがある男性と結婚して、優しい専業主婦になりたい」という願望を持ち続けていました。冷静に考えてみれば両立はしにくいのですが、人はつい「二兎(にと)」を追いたくなる生き物ですよね。続きはまた来週。


文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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