「食」の相性から意気投合

 章子さんは30歳のときに大企業から転職して現在の仕事をつかみ取りました。気ままな一人暮らしも愛しています。一方では、出産年齢を意識して結婚に焦りを感じ始めています。ただし、会話のキャッチボールができない人とは恋愛できません。章子さんは「会話の相性」を重視しているのですね。

 今年、そんな章子さんに久しぶりの恋人ができました。きっかけは、僕との出会いの場でもある酒場で知り合った女性が開いてくれた合コンです。お相手の慎吾さん(仮名、37歳)は、その場で連絡先を交換した章子さんにすぐにアプローチを開始しました。

 「何を食べたい? どんな店に行きたい? と私の希望を聞いてくれて、何軒もお店リストを挙げてくれました。飲み食いが大好きな人なので、『これはおいしいね』とか言いながら楽しく過ごせます。部屋は汚いけれど、食べ方はキレイなのも好印象でした」

 章子さんは、会話の次ぐらいに食の相性を重視しているのだと思います。ならば、職場や合コン、結婚相談所ではなく、酒場で相手を見つけるのもありですね。良い店ならば、遊び目的の既婚者などからはスタッフがそれとなく守ってくれます。章子さんの場合は、男性よりも女性のお客さんと仲良くなり、その「飲み食い好き」人脈で慎吾さんと出会うことができました。

 「親にはまだ話していません。結婚を期待されると困るので……。彼は稼ぎの悪い会社員ですよ。私と付き合い始めたのがうれしすぎて会社で言いふらしているらしいです。ホント、バカな男ですよね!」

 照れ隠しもあるのだとは思いますが、章子さんは慎吾さんにあれこれ不満があるようです。可愛げがあるのはいいけれど、仕事や社会的な面でもっと尊敬したいのだと思います。