自由なバリキャリに見えても……

 章子さんにも長女性質は濃厚です。僕は章子さんと酒場で出会って仲良くなりました。一見すると自由勝手に働き遊んでいる女性なのですが、しばらく一緒に飲んでいると律儀で甘え下手なところが見えてきます。このインタビューをした夜も、タクシー代と二次会のお金はほとんど章子さんが出してくれました。助かるけど、今日ぐらいは僕が全部出してあげるのに……。

 章子さんのような女性は、好きになった人に自分からアプローチをすることはほとんどありません。プライドや自制心が邪魔をするのです。一方で、ちょっと可愛げのある男性が一生懸命に告白してきたりすると、「その勇気に応えてあげなくちゃいけない」という気持ちになりやすいですよね。そのため、デートに誘って断られるリスクすら冒せない男性とは結ばれにくいのです。章子さんは結婚相談所に入っていた時期もありますが、4、5人の男性と会った時点で「自分には合わない」と判断して退会しました。

 「お見合いしているのに何もしゃべらない変な人、2回目のデートのお誘いをまったくしないのに私との交際を希望する人……。会話のキャッチボールがまったくできなかったり、引っ込み思案すぎる人とお付き合いはできません」

 この記事は章子さんも読むので、参考までに男性の立場から言わせてください。たいていの男性は自信がありません。「どうすれば相手の女性が喜んでくれるか」という知恵もないのです。だから、せっかく出会ってもとんちんかんなコミュニケーションをしてしまいます。

 不快ですよね。僕たち男性はもっと努力しなければならないと思います。でも、そのためには女性の助けが必要です。生理的に嫌なレベルでなければ、少し我慢して、彼の良いところを褒めてあげてください。「オレもやればできるんだ。いい男になれるかも」と自信がつけば、コミュニケーション能力などの表面的な部分は劇的に改善される可能性があります。「いい男」は周囲の女性が育てるものなのです。続きはまた来週。


文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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