心を満たしてくれるのは男性よりも女友達

 賢くて気遣い上手な直子さんが老後に孤独になるとは僕は思いません。なぜなら、恋人はいなくても固い絆で結ばれている女友達がいるからです。

 「人数は少ないですよ。学生時代からのつながりの4人ぐらいです。全員が地方出身者という共通点があります。もはや家族みたいな関係ですね。自分の身に何かあったときのために、財布には彼女たちの名前と連絡先を書いた紙を常に入れています。話していて面白くて、ディテールも含めて満たしてくれるのは男性よりも女性ですよね。男性には何を求めているのかといえば、『これをすると人生はもっと楽しいよ』と私に教えてくれること。男性の好みは昔から変わっていません」

 未婚既婚を問わず、アラフォーの女性たちから同じような話を聞く機会が少なくありません。恋愛対象は男性であり、彼らには刺激を求めている。でも、最も気を許せて助け合えるのは古くからの女友達だ、というのです。

 我が身を振り返ってみると、男性の場合はこのような友情は成立しにくい気がします。例えば大病をして寝込んだとして彼らに助けてもらう気にはなれません。妻もしくは母親を失ったら、僕たち男性こそ孤独感の高い生活になりそうです。せめて奥さんを大事にしなくちゃ……。

 ええっと、直子さんの話でしたね。四十路を目前にした39歳の年に、直子さんは個人経営の結婚相談所に登録します。そこである現実に直面するのです。詳細は来週にお届けします。


文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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