日経ウーマンオンラインの人気連載「お見合いおじさんは見た!」「38歳からの、大人の恋愛論」を手掛けたライター・大宮冬洋さんの恋愛ルポ。キャリア女性にスポットを当て、仕事と恋愛について書き綴ります。今回は、40歳の化粧品メーカー勤務の女性を取り上げます。

 こんにちは。ライターの大宮です。5年来の友人と恋愛関係になったのに、わずか4カ月で別れることになってしまった女性の話を聞いています。化粧品メーカーで管理職を務めている関根直子さん(仮名、40歳)です(前回記事はこちら「私の勤務先や学歴に引け目を感じる彼、4カ月で別れが」)。

 別れの原因は、恋人の男性が直子さんの学歴や職歴にコンプレックスを感じてしまったこと。現在の20代には考えられないかもしれませんが、僕たちの世代の男性は「女性より優位に立ちたい。尊敬されて尽くされたい」という願望を内に秘めていることが多いのです。仕事人間の父親と専業主婦の母親に育てられ、大学でも女性は少数派だったことが影響しているのかもしれません。

 現代は共働きが当たり前ですよね。「妻子を余裕で養える」収入を安定的に得ている男性などは一握りです。願望と現実に引き裂かれた男性は、無意識のうちに卑屈になったり消極的になったりします。その姿を見て、せつない思いをしている女性も少なくないと思います。

 「女の厄年」で迎えた父親の死や自らの体調不良、さらには恋人との別れ。一つひとつを何とか乗り越えた34歳の直子さんを待っていたのは管理職への道でした。