もう少し男性に歩み寄ることができれば

 ちなみに、男性にとって「自らの家柄の良さ」や「恋人の高収入」などはパワーとは見なされません。この点は女性の世界とはちょっと違うかもしれませんね。むしろ「ひ弱なお坊ちゃん」とか「情けないヒモ」と見なされることもあります。仕事に自信が持てない状況であればなおさら、こうした批評に耐えられる男性は少ないでしょう。

 ここからは直子さんへのメッセージです。もしも相手の男性に愛情があり、関係性を少しずつ深めていこうという覚悟があるのならば、最初のうちはできるだけ彼を褒めてあげてください。

 たいていの男性は自信がなく、大企業で管理職をしているあなたには引け目を感じます。仕事やお金の話を避ける必要はありませんが、男性の長所を見つけて育む心構えがあれば、彼らが抱えるコンプレックスを軽減してあげられると思います。

 ……面倒臭い、ですよね。もちろん、面倒だと感じるような男性を無理にほ褒めることはありません。ただ、あなたに好意を寄せてきて、あなた自身も「ちょっといいな」と思える男性と出会ったら、少し意識して実践してみてください。彼がバカでなければ、恋愛関係にまで男性社会のパワーゲームを持ち込む愚かさにやがて気づくことでしょう。そして、あなたとの関係に居心地の良さを感じるはずです。

 俊行さんと別れてから5年。直子さんには新しい出会いはあったのでしょうか。続きはまた来週。


文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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