趣味は合うけど結婚は……

 雑談はこれぐらいにして弘子さんの恋愛話を続けますね。30歳のときにお付き合いしていた恋人を「正也さん」と呼ぶことにしましょう。正也さんは大手の広告代理店で働いており、弘子さんとは仕事がらみの飲み会で知り合ったそうです。

 「趣味も合うし、話も面白い人でした。でも、いつも神経が張りつめている人で、私とご飯を食べているときも携帯電話をチェックしたりしているのです。私を無視しているわけではないけれど、気持ちが仕事にいっているんだろうな、と感じるときもありました。ピリピリしていて怖かったので結婚したいとは思いませんでしたね」

 それでも2年間ほどはお付き合いしていたのですが、正也さんは仕事が忙しくなるとまったく連絡が取れなくなり、いつしか付き合っているのかどうか分からない状態になったそうです。

 「最後はきちんと話して別れました。振り返ってみると常に上から目線で、私を同等とは絶対に見なさない人でした。すごく大きな仕事をやっていてエライなとは思いますが、プライベートにまで仕事の上下関係を引きずられるのは嫌です。私はそこまで尽くせません」

 常に上から目線で自分を同等とは絶対に見なさない人……。知り合いレベルでも嫌ですよね。でも、外見と雰囲気が好みのタイプで、気まぐれに優しくしてくれたりすると、その「強さ」にひかれてしまう気持ちは、男性の僕にでもちょっと分かります。