女の人ってやっぱり強い!

 杉野さんから「現地でもたくさんの女性との出会いがあったのでしょうか」と問われると、

 「内戦が終わった直後のスリランカに訪問した際、広場でお母さんたちが集まっていたので、何をしているのか聞いてみたら、近所の子どもたちが今どこにいるのか、無事なのか、名前のリストを作って一人一人安否確認をしていたところだったんですね。何もない中で、子どもたちのために自発的に行動する姿を見て、母は強いなと思いましたし、お母さん方のある一言にも驚きました」

 当時、知花さんが「今、皆さんが一番必要なものは何ですか?」と女性たちに聞いてみたところ、「事業をやるためのお金! そのお金を貸して!」と答えが返ってきたとか。

 「食べ物とかお水とか家とか、そうした答えが返ってくるのかと思いきや、新しいビジネスを立ち上げるための資金が欲しいというのです。『でも今、内戦が終わったばかりで大変なときですよね?』と聞くと、『だからこそ、国にも周りにも頼れない。自分たちの足で立ちたい!』って言うんですね。皆、前を向いて今あるものから始めようという気迫が伝わってきて、女の人ってホントに強いし、たくましいなと思ったんです」と知花さん。

「女の人ってホントに強いし、たくましい!」
「女の人ってホントに強いし、たくましい!」

 アフリカ・ケニアのスラム街や中央アジア・キルギスの農村を訪れた際にも、貧困から抜け出そうと新しいビジネスを起こした女性グループと出会い、生き生きと働く姿を目の当たりにしたそうです。

 「世界を旅してきて、女性ってやっぱりおなかの中にエネルギーを持っているなって気がするんです。もちろん誰しも元気がないときはあるけれど、自分の中にあるパワーに気付けば、すごくハッピーに前向きに行けるっていう瞬間が来るんじゃないかって思います。私も新しい女優の仕事にチャレンジして時々壁にぶつかって奥歯をかみ締めながら悔しい思いをするときもあります。でも、人生って、この一瞬はもう二度と戻ってこないので、暗い顔をしているより、口角を上げていきたい。そうやって、皆でもっともっと女っぷりを上げてまいりましょう!」

 知花さんからの温かいエールに、会場の女性たちもほころび、元気をもらったようでした。

文/伯耆原良子 写真/稲垣純也