知花さんが「恋に落ちた」活動とは?

「恋に落ちてしまった」という「学校給食プログラム」とは?
「恋に落ちてしまった」という「学校給食プログラム」とは?

 知花さんが「恋に落ちてしまった!」と語る、「学校給食プログラム」とは、国連WFPが世界の食糧の足りない地域の学校で行っている食糧支援の一つ。

 貧しい家庭の子どもは学校に行けず、働くことを余儀なくされたり、学校に行けたとしても、ごはんが食べられずに空腹のまま登校することが多いそう。そこで学校に登校した子どもたちに給食や家庭用の持ち帰りの食料を届けることで、子どもたちのおなかも栄養も満たし、集中して学業に励めるようにするのはもちろん、親が子どもを学校に通わせるきっかけにつなげる、という取り組みなのです。

 「学校でおなかもいっぱいになって、お勉強もできて、同学年の子たちとも一緒に遊べる。親御さんも、ためらいなく子どもに『学校に行っておいで!』と言える。みんながハッピーになれる活動なんだと知ったとき、恋に落ちてしまって、現地でその活動を見てみたいと思ったんです。大学では教育学科で学んでいて、教育に関する論文なども書いていたんですが、結局答えは見つからなくて。机の上のお勉強だけでは答えは出なかったけれど、『まさにこの活動が私にとっての答えになるかもしれない!』とエネルギーが湧いてきたんです」

 タンザニアやスリランカでの視察の模様をスライドで紹介しながら、給食を元気に頬張る子どもたちの様子や、一方で現地のスラム街の厳しい状況なども報告してくれました。

 「初めて現地を訪問した際、子どもたちが片方靴を履いていなかったり、破れたズボンでお尻丸出しのまま歩いている姿を見て、私の中でこっそり持っていた『ものさし』と目の前の現実がなんて合わないのだろうとショックを受けました。でも、現地視察を重ねていくと、どこに問題があるのか、どういうことが背景にあるのか、想像がつくようになってきて。子どもたちに本当に必要なものはなんだろうと真っ先に考えを巡らせられるようになれたのが大きいかなと思います」