掛金は属性によって上限が異なる

 このiDeCoは、属性によって毎月の掛金の上限額が異なることも覚えておきたいポイントです。簡単にまとめると以下のようになります。

【iDeCoの掛金上限金額】※2017年1月~(「iDeCoナビ」より)

(1)公務員:月1万2000円
(2)会社員(企業年金あり):月1万2000円・2万円(※1)
(3)会社員(企業年金なし):月2万3000円(※2)
(4)専業主婦(夫):月2万3000円
(5)自営業:月6万8000円(※2)

 ※1企業年金の種類によって異なります。
 ※2国民年金基金や付加保険料と合わせて6万8000円が限度となります。
   国民年金保険料が未納の月は掛金を納めることはできません。

 補足すると、派遣社員や契約社員の方の掛金上限額は、月2万3000円まで。会社員の(2)(3)に当てはまる方で、企業型の確定拠出年金に加入している場合は、「加入にいろいろな制約があるため、個人型は入れないことが多い。企業型の積極活用がおすすめ」(竹川さん)です。

 なお、「会社員の方は、事業主の証明が必要になります。そのとき会社から、『なんでこんなの書かないといけないの?』と言われるケースもあるようです。私たちは『iDeCoハラスメント』と呼んでいるのですが(笑)、法律的にも会社は証明を発行するなど社員のiDeCo加入をサポートすることになっていますから、ひるまずに証明をもらってください」と大江さんは語ります。

控除された税金はどうやって戻ってくる?

 税制優遇を受けられるiDeCoですが、加入後はどのようにして税金が還付されるのでしょうか? 申告方法について、大江さんが教えてくれました。

 「積み立ての方法にもよります。多くの方は自分の銀行口座から毎月積立することになると思います。その場合は『小規模企業共済等掛金払込証明書』というものが10月末あたりに自宅に届くので、会社員の方は年末調整のときに会社に提出してください。また、確定申告をされている方はそのときに提出してください。その後、税金が還付されます」(大江さん)

 注意したいのが、還付された所得税の使い道。ついつい、臨時収入的な感覚で使ってしまう方も多いと思いますが、「それはダメです!」と竹川さんはくぎを刺します。「12月に受け取るお給料には所得税が戻った分が含まれるので、手取り額が増えて気分よく使ってしまう人も多いんです。でも、税金が安くなった分は、貯蓄や投資に回したり、投資をしている人は証券口座にお金をすぐに移すなど、未来に向けてふやしていく工夫をしてくださいね」と、愛のあるアドバイスをくれました。