子育てとの両立のコツは「50点育児」
「仕事と子育てとの両立は、完璧を求めないこと。100点満点を取ろうという考えを私の中でやめました。掃除50点、食事50点、洗濯50点、仕事50点でも、いろいろ合わせると結構300点くらい取っているんじゃないかと(笑)。義母や友人、いろんな方に助けていただいて、今があります」(及川さん)
今では20歳になった娘さんは、何かあっても頭を働かせて乗り切るたくましさのある、自慢の娘さんなんだそうです。
女性はリーダー向きか
女性は「私にはできない」と、リーダーへの昇進を断るケースが多いといいます。女性はリーダーに向いているのでしょうか? 及川さんの結論は「とても向いていると思います」。
「一度にいろんなことができるのが女性の強み。掃除しながらご飯作って、子育てして。目と耳と口、足まで使いながらいろんなことに気が回って、感性を使って、リーダーシップを発揮できると思います」(及川さん)
女性は自分を過小評価しがちですが、責任ある立場になったときの女性は強い。及川さんは断言します。
「明らかに能力があると思うからマネージャーに指名しているのに、女性は必ず『なぜ私なんですか?』と理由を求め、『私でできますでしょうか?』と言う。自信がないから、背中を押してほしいんです。でも、いざ責任が生まれたとき、女性はすごく強い。そして実際に能力を発揮してくれています。ぜひ、長い視点でご自身のキャリアを見てください。『5年後、私はどんな仕事をしているだろう』と一度考えてみると、『私、もしかしてマネージャーをやりたいかも……』といった本音が浮かんでくるようですよ」(及川さん)
働く上で大切にしてきたこと
そんな及川さんが働く上で大切にしてきたことは、まず「自分は好きで働いている」という意識。そして「挑戦すること」です。
「誰に頼まれたからでもなく、自分がやりたいから働いている。そこから目をそらさないということです。将来、もし『あなたのせいで仕事を辞めた』と言われたら娘はショックだろうと思います。『あなたが理解してくれたから、お母さんは今仕事できているんだよ』って言われたほうが、うれしいだろうなと」(及川さん)
「あなたのせい」ではなく「あなたのおかげ」。気持ちの持ちようで、女性の働く意識は大きく変わってきそうです。