妊娠の仕組みをおさらいしよう

 まずは妊娠の仕組みを簡単におさらいしましょう。会場では動画で、分かりやすく解説されました。

【排卵】脳からの指令で卵巣から女性ホルモンが分泌。その刺激を受けて卵子が成長し、卵巣から飛び出します。
  
【受精】排卵された卵子と、性生活を経て膣から入った精子とが卵管内で出合い、受精します。
  
【着床】 受精卵は卵管をさかのぼって子宮内膜の上に到達し、着床します。
  
【月経】 受精が成立しなかった場合は、用意された子宮内膜が剥がれ、経血とともに排出されます。

年齢が上がるにつれ妊娠する力は低下する

 「授かりやすい体をつくるためには、授かりにくい状態を知ること」と善方先生は言います。

 「妊孕性(にんようせい/妊娠するチカラのこと)は女性の年齢に応じて低下していきます。一般的に、妊娠しやすい時期(排卵の数日前)にタイミングを合わせた性交渉を4回行うと、1回は妊娠成立するといわれています。ところが年齢上がるにつれ、この方法で妊娠しない確率が上がっていきます。20代では約10%以下ですが、30~34歳で約16%、35~39歳からは急増して約30%、40~44歳では約65%が妊娠不成立となるのです。

 不妊の原因として多いのは、『排卵障害』、『卵管の詰まり』、『精子の問題』です。最近は卵子の老化が原因の人が増えています。これが日本の生殖医療の大きな課題。もっと早く妊活を始めたら、不妊で悩まない人がもっと増えるはずなのです」(善方先生)