歯周病対策のポイントとは?

 そしてもう一つの原因が、歯ぐきの衰え。歯ぐきは皮膚と同じように細胞やコラーゲンで形成されていて、約10日間のサイクルで再生を繰り返しています。しかし加齢などで細胞の活性が低下すると、歯周病を悪化させる要因になるのです。

 歯周病対策のポイントは、「プロケアとセルフケアの両方を行うこと」と近澤さん。歯科医院で定期的に歯と歯周ポケットのクリーニングを受けつつ、自宅では歯ブラシや歯磨き剤、歯間ブラシ、洗口剤などを使って毎日適切にケアすることが大切です。

 セルフケアに取り入れたいのが、「殺菌作用」「炎症を鎮静化する作用」「歯ぐき細胞の活性化を促す作用」のあるオーラルケア用品。実験で有効性が証明された成分として、バイオフィルムを殺菌する「イソプロピルメチルフェノール(IPMP)」、歯ぐきの炎症を抑える「トラネキサム酸」、歯ぐき細胞を増やしてダメージを受けた組織を修復する「アラントイン」が紹介されました。

 真矢ミキさんのCMでもおなじみの、ライオン「システマハグキプラス」は、これらの3つの有効成分を配合。日々のオーラルケアで繰り返し使ってほしいものということで、来場者には歯みがき剤のサンプルが配られました。

 そしてもう一つ配られたのが、「システマハグキプラス ナイトケアジェル」。こちらは夜寝る前に使うのが効果的なジェル剤で、歯ぐきの抵抗力強化に有効なビタミンEを配合しています。「寝ているときは唾液の分泌量が減って細菌が増殖するので、ケアの必要性が高まります。それと同時に、薬用成分が含まれている歯磨き剤などを口の中にとどめ、集中的にケアしやすいのです」(近澤さん)

 最後は日経ヘルスの西沢邦浩元編集長がステージに登場し、歯ぐきの大切さを示す国内外のさまざまな調査データを紹介しました。「歯周病菌を放置しておくと、腸の中に入り込んでさまざまな病気を引き起こす」「脳の老化が進む」「がんのリスクが高まる」など、歯周病が全身に悪影響を及ぼすことが分かるデータの一方で、「硬いものを食べている人はウエストが細い」「歯磨きの回数が多いほうが若く見える」といった女性にうれしい情報も。

 最後に「体全体の美しさのためにも、ぜひ歯ぐきケアを心がけて」と近澤さんも呼びかけていました。

近澤さん(右)と日経ヘルスの西沢元編集長
近澤さん(右)と日経ヘルスの西沢元編集長

文/谷口絵美 写真/稲垣純也