トップの意識と目標設定がキーポイント

ダイバーシティのポイントを語る松本さん
ダイバーシティのポイントを語る松本さん

 ダイバーシティを進めるための成功要因が二つある、と松本さんは話します。

 「まずは目標を設定し、トップ自ら結果にコミットすることです」

 マーケティングや財務などの部署には女性管理職が多いが、営業・工場などには女性管理職が少ない。しかし、この状況も徐々に変わると松本さんは考えています。

 「2020年までに女性管理職の割合を30%にするという国の目標は、決して悪い数字ではありません。しかし、数字合わせだけをしている会社もあります。カルビーでは現在、管理職の22%を女性が占めています。1年に3%ずつ増やし、2019年には30%を達成したい。30%をクリアできたら、次は50%を目指します」

 女性登用に積極的な松本さんは、「女性は優秀ですか?」と聞かれる機会が多いそう。

 「私はいつも『男性と同じだけ優秀です』と答えます。男性と女性は基本的には変わりません。能力は一緒。だから、管理職の半分は女性にすべきなのです。しかし、ダイバーシティを実行する経営者にはリスクがあります。業績が悪化するとダイバーシティのせいにされ、女性ばかり登用しているからダメなんだと言われる」

 だから松本さんは業績にこだわります。松本さんがトップになってから、会社は7年連続で増収、増益、増配を続けているのです。