女性管理職ならではの利点も多い

金澤さん:「管理職になりたくない」と言う女性が多いのが現状ですが、私は絶対に管理職になったほうがいいと思っています。実際に管理職になってみてどうですか?

江浪さん:私は幹部になることに興味がなかったんです。個人で成果を出す仕事に満足していました。しかし、「役職がないと会えない相手もいるし、承認をもらえないことも多い。そのためにもマネージャーになりなさい」とアドバイスをもらって考えが変わりました。

一木さん:管理職になる2日前に最初の子供の妊娠が分かりましたが、上司に大丈夫と言われたので、とりあえずやりました。しかし、2人目の育休後に復帰したときから、実力のなさをひしひしと感じる日々が続きました。

 郵政民営化で新メンバーが来て、夜の懇親会があったときに、ある部下がトラブル対応で会に出られなかったんです。すると、酔った新メンバーに、「お前の部下が来ないのは、お前が仕事ができないからだ」言われ、トイレで涙が止まらなくなりました。

 でも、部下のために事前に打つ手がなかったのかと、思いを巡らせました。部下ができ、マネジメントという仕事を得て、改めて気づくことも多いです。管理職はタイムマネジメントもできるので、保護者会の日には打ち合わせを入れないとか、決定権が広がって仕事がやりやすくなった面もあります。

大嶌さん:私は主務になるタイミングの直前に最初の出産をし、昇進が後輩より遅れたこともあり、マネージャーになるときに躊躇は、あまりしませんでした。「男性社員と同じことは求められていない」という先輩の言葉を頼りになんとかやってきました。部下はみな年上の男性。ウェブ経由ではなく、直接会話をすることを心がけています。女性は男性よりもマルチタスクが得意で、部下に対する心配りもうまいので、女性の管理者を増やしたいと思っています。

寺井さん:出産時が管理職の一歩手前で、復職後も昇進しませんでした。子供が小さいし、部下を持つ仕事はまだ早いと考えて躊躇していたんです。しかし、男性の上司に、「一人で働くわけではない」と言われ、管理職になることを決意して2年目です。上司の言った通り、助けてくれる家族や周囲の人がいるので、安心しています。

 今は200名以上の部署ですが、私は子供を持って昇進した初めてのロールモデル。悩む後輩の話も聞けるし、他部署の情報も得られる。発言の機会が多くなったのは、リーダーになってよかった点です。