不満を100個、言えますか?

 自分で認識するためには、きちんと文章にして書き出してみるという方法もあると思います。キャッチコピーに集約してみるという方法も有効です。同じ部署の人に言葉にして話すのもいいと思います。互いに共有することで、やりたいことをどう実行していけるのか、嫌なことはどう改善できるのかを具体的な課題としてとらえられるようになります。

 例えば、こんなこともありました。10~20代の若い人たちを中心とした会議で講演をしたときに、ディスカッションの場で15歳の少年が「世の中理不尽なことだらけで学校に行きたくない」と言いました。「“理不尽なことだらけ”って言うけど100個くらい書き出してごらん、私がちゃんとした大人に全力で伝えるから」と言ったら、しばらく時間を置いて、「10個くらいしかないかもしれない……連帯責任の不条理とか……」と彼は言いました。そして私といろいろ会話したあとに、彼がずいぶん変わったと、後日、周囲の大人から連絡がきました。

 あなたがやりたいこと、不満に感じていることは何か、言語化できているでしょうか? 決して難しいことではありませんよ。