伝えることならいくらでもできる

 伝えられる手段があるというのは、民主的ですし、豊かなことだと思うのです。考えてもみてください。例えば中国では、インターネットに厳しい規制があり、SNSも種類によっては閲覧すらできないなどの不自由さがあります。また、2010年のチュニジアに端を発し、次々にアラブ諸国に広がっていった反体制運動「アラブの春」で見られたような独裁政権のもとでは、自分の考えを声に出して人に伝えるというのは簡単ではありません。

 日本では幸い、自分の考えが相手と違っていても粛清されることもなければ、チャレンジして失敗しても殺されたりはしません。相手に何かを伝えようとすることなら、いくらでもできる環境です。

 少し話が大きくなったと思う人もいるかもしれませんが、こんなに恵まれた環境の国にいるからこそ、もっと自分のビジョンや、仕事の中にある社会的意味を、人に伝える努力をする。それが、社会に影響を与える第一歩になるはずです。

<次回に続きます>

文/成田真理 写真/PIXTA

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