選択を他人にゆだねてもいいときもある

 私自身は自分が重要だと思うことほど、人の意見は聞かずに自分一人で決めることにしています。

 その理由は簡単です。迷った挙句に何か一つを選んで、後から悔やむようなことがあったとします。そのとき、もし事前に誰かの意見を聞いていたとすると、心のどこかで「あの人があのときああ言ったから」と、自分以外の人を責めて逃げ道を作ってしまうことがあるからです。人のせいにしてしまえば、自分には痛みがないので、いつまでもそれを引きずってしまいがちです。

 しかし自分一人で決めたことは、誰のせいにもできません。間違いなく自分のせいです。そこでいつまでも自分を責め続けるかというと、そんな疲れることはしないものです。だから自分一人で何かを決めたときは、たとえ後悔してもさっさと諦めて、次のことを考えるようになるのです。

 一方で私の場合、いくつかの選択肢があってどれを選んでも構わないな、後で悔やむことはないなと思うことは、人に決めてもらうことがよくあります。それはやはり、自分一人で選ぶために費やす時間を無駄だと感じているからです。自分ではない誰かにスパッと決めてもらうことに意味があります。

・自分が楽しいと思う選択なら、時間をかけても十分楽しむ
・苦しいと思う選択でも、自分にとって重要で、間違えたら後で悔やむようなことは人に相談しない
・どれを選んでもいいと心から思っていることなら、人に預けて決めてもらう

 この選択の基準は誰にでも役に立つと思います。ぜひ試してみてください。

<次回に続きます>

文/成田真理 写真/PIXTA

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