ドバイで大ブレイクしたヨックモックから学ぶこと
例えば、東京の洋菓子製造販売企業・株式会社ヨックモックの、葉巻の形に似た細長いクッキー「シガール」がアラブ首長国連邦で大ブレイクして大きな話題になりました。2012年にドバイに初出店し、約2年後にはアラブ首長国連邦の国内に20店舗近くを展開しているといいます。バターの香りやくちどけのいい食感も人気の要因ですが、その他にも日本式の上品な接客、丁寧な包装などがアラブの富裕層に受けて、現地の店頭では日本国内の2倍以上の価格設定にも拘わらず、贈答用にまとめ買いをする人でにぎわっているとか。
これも、資金と販路を持つ企業だからこそ実現できたことです。
一人で独立起業し、自分の店を構えて、そこでどれほどおいしいクッキーを焼いたところで、市場に供給できる数は限られてきます。工場で大量に生産し、日本国内はもちろん、海外市場にもふんだんに供給するとなると、小さな1店舗の店では無理です。
つまり会社は、その規模でなければできないことをやっているのです。その資金力、その販路がなければできないことをやっている。そしてその点においてはけっして大きいからといって身動きが取れず、スピードも遅いなどということはありません。市場に一気に大量の商品を投入し、幅広い販路を使って一斉に人々の手に商品を届けるということをやってのけるのです。
だからあなたも、自分の会社の規模や資金力、販路をもっと活かすビジネスはないのかという考え方ができます。それが会社員でこそできる考え方です。そしてそれができている人は、会社員としてのプライドをちゃんと持っているし、会社員と起業家はどっちが偉いのかを決して比べたりはしないと思います。
<次回に続きます>
文/成田真理 写真/PIXTA
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