「何に対する出資なのか?」を考える

 それがわかれば、今使っている経費についても、何に対する出資なのかがわかってきます。明日すぐに売上が立つビジネスに対して出資されている場合ももちろんあるでしょうし、3年後に実を結ぶことに先行投資されている場合もあるかもしれません。

 シリコンバレー型のスタートアップでは、資金調達がクローズアップされることが多いのですが、それは資金調達が重要で大変だからです。そう考えれば、改めて力を注がなくても資金がある状態の今の会社で、仕事をするのは素晴らしいことです。3年後に売上が立つビジネスにも投資ができるのは、それだけの資金力があるからです。

 さらにここで、ビジネスに欠かせない三大要素の一つ、時代が重要になってくるのです。

 変化のスピードが速い今、社会で求められるものもどんどん変わっていきます。今すぐに求められるものと、3年後に求められるものとはまた違うはずです。3年後には、その時代だからこそ求められるものが必ずあります。会社がこれからも生き延びていくためには、3年後に求められるものをいつも考えておかなければなりません。

 大企業の事業多角化の根本にあるのはそうした考え方です。今売れるものだけを売っていたのでは、数年後にその企業は終わってしまいます。今売れるものはきちんと売る。その他にも1年後に売れるもの、3年後に売れるもの、5年後に売れるものにも取り組んでいく。だからこそ時代を経ても残ることができる企業になるのです。

 それはあなた自身で何ができるのかを考えるときにも、間違いなく必要な考え方です。