組織のイメージは、水戸黄門様御一行

 自分と意見が合わないとか、自分とは対立するという人は、発想を変えれば、自分ではとても表現できない部分を持っている人です。つまり、自分を補完してくれる存在になり得ます。

 例えば「あいつはちっとも俺の言うことを聞かない」とふだんから思っている人に対しても、発想を変えて「あいつは俺の考えること以外の、もっと違ったことを考えて違った動きをしてくれる」と考えれば大きなプラスになります。「あの人のぐいぐい押してくる強引さは嫌いだな」という日頃の思いも、「あの人のあの積極性はすごいな」という評価に変えてみるのです。

 そうすると、苦手な上司、自分にたて突いていると感じる部下や後輩、対立ばかりしてきたライバルも、みんな自分の優秀なスタッフに変わっていきます。

 組織のイメージとしてドラマの水戸黄門を思い浮かべてみてください。例えば10年後、私はどんなふうに生きていれば楽しいかなと考えてみると、水戸黄門のように旅をしている生き方なのです。

 諸国行脚が楽しいというわけではなくて、明るくて洒脱な「助さん」、生真面目な「格さん」がいて、世渡りの巧みな「風車の弥七」がいて、コメディ担当、人々の笑いを誘う「うっかり八兵衛」がいて、紅一点ながら男勝りでさっぱりした「かげろうお銀」がいて、それぞれのキャラクターが活かされているというところに注目していただきたい。