第一候補はネット証券

 さて、「つみたてNISA」で投信を積み立てていくには、証券会社や銀行、(直接投信を販売している)投信会社などに口座を開設する必要があります。口座を開設できるのはひとり1口座までです。

 注意したいのは「対象商品がすべて買えるわけではない」ということです。金融機関によって取り扱う商品は異なります。また、投信を買うときの最低購入金額も100円、500円、1000円、5000円、1万円というように違います。そして、どのくらいの頻度で積み立てできるかも金融機関で異なります。毎月一定額を積み立てる以外にも、毎日や毎週、隔月、ボーナス時の年2回だけというようにいろんな設定ができる金融機関もあります。

 では、どこで口座を開設したらよいでしょうか。

 商品の取り扱いが多く、最低積立金額が低く、柔軟に積み立ての頻度が設定できるのはネット証券です。例えば、SBI証券や楽天証券、マネックス証券が候補になるでしょう。

100円から投資ができる時代に。老後のために、今後のライフステージの変化のために、上手に活用したいですね (C)PIXTA
100円から投資ができる時代に。老後のために、今後のライフステージの変化のために、上手に活用したいですね (C)PIXTA

給与振込銀行で投信を積み立てる選択肢もあり

 「新たにネット証券に口座を開設するのは面倒くさい」「管理する口座をこれ以上増やしたくない」という人は、給与振込などで利用している銀行で「つみたてNISA」の口座を開設し、投信の積み立てを始めるという選択肢もあります。

 「つみたてNISA」の対象商品は、すべて購入時手数料がゼロで、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬といいます)についても上限が決められているため、ネット証券と同レベルの手数料水準で投信の積み立てができます。

 ただし、ネット証券と異なり、販売する投信が3~4本とかなり少ない銀行も多いので、取り扱い投信の残高は安定的に増えているか、自分が買いたいと思える商品を扱っているかなどは事前に確認をしてください。

 大切なのは、「購入したい商品」があるかどうか。あくまで商品選びが先にあって、金融機関選びはその後、という順番です。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA