投資にかける時間は月10分

 現在はバランス型の投信を積み立てるだけなので、ゆかりさんが投資にかける時間は月に10分程度です。毎月1万円から始めた投信積み立てですが、徐々に積立額をふやし、今は毎月5万円を積み立て投資に充てています。当初は自分たちの老後に向けた資産形成が目的でしたが、お子さんの学資用、そして将来の住宅の取得用としても投信積立を活用しようと考えるようになったからです。

 最終的な目標金額は決めていませんが、夢を実現するために、年代ごとの積み立て投資額はイメージしています。具体的には、30代は毎月5万円、40代は子どもの教育費がかかるので月3万円程度、そして子どもの手が離れてから60歳になるまでは月10万円を目指します。

 「ゴールは30年以上先なので、投信の価格が下がってもジタバタしないように、無理のない範囲で投資を続けていきたいと考えています」と気持ちも落ち着いています。

 コツコツ投資を続けているゆかりさんのポイントをまとめてみましょう。

ポイント1:「続けやすさ」を第一に
 彼女がもっとも参考にしたブログは、インデックスファンドやETFを組み合わせて運用する内容について書かれたものでした。しかし、「今は仕事と家事と子育てで精一杯」「投資については楽したい」という彼女は、バランス型投信の積み立てを選択。自分に合った方法、続けられそうな商品・手法を選ぶことは大切です。

ポイント2:無理せず少額から始める
投資を始めるとき、ゆかりさんはこれまで貯めてきた預金は投資に回さず、お給料の中から新たに積み立てる分だけを投信の積み立てに充てました。お金をふやすという観点でみれば非効率かもしれませんが、「定期預金にとっておけば、多少投資信託の価格が変動しても安心できる」と考えた結果です。

 投資初心者の中には、大きく儲けたいと考えて、(精神的にも経済的にも)自分のリスク許容度を超えた金額で投資を始めてしまう人もいます。そして、価格が下がったときに耐えきれずに、せっかく始めた投資をやめてしまう(あるいは下がったところで売ってしまう)ケースもあります。

 これは本当にもったいないことです。下がっても耐えられる金額というのは属性や収入、金融資産や負債の額などによって1人ひとり異なります。投資を始める前に必ず「自分(あるいは我が家の場合)はどのくらい投資に回さないお金が手元にあると安心なのか」をイメージすることが大切です。

 投資との付き合い方は人それぞれ。自分に合った方法を探しながら、投資を継続していくことが大事なのだと思います。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA