無理にアクティブファンドを選択しなくてもいい

 アクティブファンドの平均とインデックスファンドの平均を単純に比較すると、手数料が高い分、インデックスファンドに負けています。「負けている」の意味は、インデックスファンドを上回る成績を挙げているアクティブファンドは少数だということです。

 もっとも、アクティブファンドの中にはインデックスファンドと中身がさほど変わらないのに、手数料だけ高いといういわゆる“疑似インデックスファンド”も多く存在します。最近は、こうした疑似インデックスファンドを除くと、アクティブファンドの成績はそれほど悪くないという研究結果も出ています。

 ですので、アクティブファンドを買ってみたいと思ったら、少なくともインデックスファンドと似たような商品を選ぶのは避けましょう。例えば、日本株に投資する投信であれば、「投資している会社トップ10がTOPIX連動型のインデックスファンドとほぼ同じ」商品などは避けたほうがよいでしょう。

 アクティブファンドについては、将来にわたってよいものを事前に選ぶのは正直とても難しいです。だからこそ、長期で投資し続けるためには、先に挙げた「5つのP」に沿って、投資哲学や運用プロセス、特徴をしっかり理解することが大切なのだと思います。

 逆に言えば、「『5つのP』を調べる時間もないし、面倒臭い」、あるいは「確認したけれど、理解できない」「共感・納得できるものがない」という場合には、無理にアクティブファンドを買う必要はありません。その場合は、インデックスファンドだけで十分です。

【参考】
「一億人の投信大賞」

文/竹川美奈子 写真/PIXTA