金融資産が130万円あっても危険信号?

 「リスク耐久力」は、万一収入がゼロになった場合、どのくらいの期間生活していけるのかを図る目安です。これは「現金決済力(金融資産―短期負債)÷固定費」で計算できます。会社員の場合、病気やケガで会社を休んでもすぐに収入がゼロになるわけではありませんが、1つの目安として知っておくといいでしょう。

 Aさんの現金決済力は116万円でしたね。そして、損益計算書の固定費(※前回のコラムより)は193万円でした。この場合、116万円(現金決済力)÷193万円(固定費)=0.60となり、6カ月しか持ちこたえることができません。目安としては「1年以上」は欲しいところ。Aさんはアウトドアや旅行が好きで、趣味に使うお金が多いため、貯蓄や投資に回すお金がそれほど多くありません。6カ月未満だと危険信号なので、貯蓄ベースを上げる必要があります

万一収入がゼロになったとき、「最低でも6カ月以上は暮らしていける」よう備えておきましょう (C)PIXTA
万一収入がゼロになったとき、「最低でも6カ月以上は暮らしていける」よう備えておきましょう (C)PIXTA

 まずはあなたの損益計算書とバランスシートを作ってみてください。2つ作るのは面倒だと感じる人は、バランスシートだけでも構いません。できれば、数字を書くだけでなく、グラフ化するとバランスシートがきちんと育っていっているかが視覚的に分かります(私は、以前はエクセルで作成していましたが、今はマネーフォワードを利用しています)。バランスシートを定期的に点検することで、資産を育てていこうという意識も高まるはずです。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA