お金が貯まらない原因を把握しよう

 お金が貯まらない人は、大型の固定費(例えば住居費や保険料など)が負担になっているのか、基礎生活費がぜいたくになってしまっているのか。それとも化粧品や洋服、趣味といった変動費にお金を使っているのか。

 たくさん使っているはずなのに、何に使ったか全く分からないという人は、1~2カ月でいいので、レシートをすべてとっておき、箱の中に入れて、後で仕分けしてみるといいかもしれません。思ったより飲み代が多い、コンビニで余計なものを買っているといったことが分かります。「マネーフォワードや」「Zaim」といった家計簿アプリを利用してもいいでしょう。

 Aさんの実際の1年間に貯められているお金は32万円でした。日々節約しているつもりでも、ちょっとした支出が積み重なって把握していない支出が30万円ほどあったわけです。

 損益計算書から、Aさんの1年間に最低限必要な生活費(固定費)は193万円程度だということが分かりました。月に16万円程度は固定費としてお金が必要なので、万一に備えて最低でもその6カ月分(96万円程度)は預貯金においておきたいところです。一方で、洋服や外食、趣味といった変動費には80万円とお金をかけています。優先順位をつけて支出を見直せばもっと貯蓄や投資に回すお金が捻出できそうです。

【まとめ】

 損益計算書を見て、下記の二つは分かるようにしておきましょう。

●毎年(毎月)最低いくらあれば、生活していけるのか
●毎年いくら貯められているのか(投資含む)

 次回はもう一つのチェックシート、「バランスシート」の作り方をご紹介します。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA

修正履歴:記事中本文と表の試算に誤りがありました。お詫びして訂正します。(2017年6月21日)