会社から受け取れるお金を調べよう

 次に、(2)の勤務先から受け取る退職一時金や企業年金を調べます。退職一時金はある会社が多いでしょう。では企業年金はどうでしょうか。あるのか、ないのか。あるなら、将来受け取る年金額が確定している「確定給付型」なのか、運用成績次第で給付額が決まる「確定拠出型」なのかを確認しましょう。確定給付型には「確定給付企業年金」や「厚生年金基金」などがあります。

 確定給付型、確定拠出型どちらか一方ではなく、両方ある場合もあります。それぞれ「いつから(何歳から)」「どのように(一時金か年金形式か)」「おおよそいくらもらえるか」を分かる範囲でいいので調べてみてください

 結婚している場合には、(1)や(2)は世帯単位で合算してみるとよいですね。

 その上で、(3)の足りない分を自分で準備するということになります。ここまで調べるだけでも、「とにかく3000万円用意しよう」といった漠然とした不安や焦りから一歩先へ進むことができます。

 老後資金用であれば、税制的に有利な制度、例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの活用を検討するのがいいと思います。

 不安から目を背けている人、不安に押しつぶされそうな人は、焦って投資を始めたり、むやみに節約をしたりするのではなく、「自分(あるいは我が家)の場合はどうなのだろう?」と考えてみる。そして、まずは、公的保障や企業内保障についてきちんと調べてみることが不安解消への第一歩です。

文/竹川美奈子、写真/PIXTA