時間を味方に付けた場合、そうでない場合

 さて、お金をふやすのに「時間」がいかに重要か、具体的にお話ししていきましょう。例えば、30歳から60歳まで、30年かけて毎月2万円をコツコツ積み立て、仮に3%で運用できたとします。すると、お金は1160万円程度に育ちます。

 では、50歳から60歳まで10年間で同額をつくろうと思ったらどうなるでしょうか。積立期間が30年の3分の1なので、積立金額を2万円の3倍の6万円にしたら、同程度のお金が準備できそうですよね。

 ところが、積立金額を2万円の3倍の6万円にふやしても、総額は830万円程度にしかなりません。実は、積立金額を3倍にするだけでなく、リターンも3%の3倍、約9%で運用しなくては同程度のお金を準備できないのです(投資をする場合には価格が変動するので、必ずしもこの通りの数値になるわけではありませんが、イメージする際の目安と考えてください)。

時間をかけてコツコツ投資すれば、毎月の金額が少なくてもお金は育ちます
時間をかけてコツコツ投資すれば、毎月の金額が少なくてもお金は育ちます

 不思議に思われるかもしれませんが、資産形成をする上で、最大の味方は「時間」です。リターンが違っても、最初の10年くらいはそれほど大きな差はつきませんが、20年、30年と時間をたつに従って、グンと差が開いていきます。これは元本が積み上がってくることに加えて、複利運用(一定期間にふえた利息や分配金を、元本に組み入れて運用していくこと)の効果があるからです。