「やっぱり自分は専業主婦には向いていないんだ」と思い知らされました。

 私の場合、家事と育児だけに向き合っていると、家族がうまく回らなくなる。それなら、少しでも早く仕事に復帰しようと思いました。

――そして、再就職活動を始められたんですね。気持ちはすぐに切り替えられましたか?

 「仕事に復帰しよう」と思い立ってからは、その目標に向かってまっしぐらでした。目指すべきゴールが設定できたので、不思議と「仕事と家庭の両立はできるんだろうか」という心配もありませんでした。現実的には、そこまで考える余裕がなく、とにかく現状を打破したいという一念でした。

「仕事に復帰する」というゴールに向けて走り出したら、まっしぐらでした
「仕事に復帰する」というゴールに向けて走り出したら、まっしぐらでした

 専業主婦になって、自分でお金を稼げなくなったというのも私はストレスに感じていましたね。何を買うにしても「これ買おうと思っているんだけど」と夫に相談することになる。自分でお金を稼いで、もっと自由になりたいなと思いました。

 もし子どもを保育園に預けて、少しでも一人になる時間をつくって、仕事を再開して自分で少しでも稼げるようになったら、状況はきっとよくなるはず。その状況をひたすら思い描きながら、保活と就職活動に力を入れました。

(後編に続く)

聞き手・文/西山美紀 写真/村田わかな