赤ちゃんはずっと泣いているし、おっぱい欲しがるし、でもおっぱいが出ないし、乳腺炎になるし。ミルクにするとミルクを飲まないし、でもおなかがすいて泣くし。自分は眠れないし、産後の傷は痛む……。「子どもってなんで思うようにいかないんだろう。こんなに大変だとは思わなかった。こんなの聞いてない……」なんて思うことの連続。

 夫は、当時はその大変さが分からなかったようです。産後に実母が3週間ほど来てくれていたので夫婦で母に頼りっきりだったんですよね。夫はおむつを替えるくらいはしましたけど、それ以外は仕事中心の日々。私は精神的、体力的に追い詰められていきました。

子どもが生まれてからが、それはもう、大変でした…
子どもが生まれてからが、それはもう、大変でした…

生後3カ月で「産後うつ」 夫ともけんか

 生後3カ月くらいには、いわゆる「産後うつ」の状態になっていました。自分で「専業主婦になる!」と言った以上は、家事も育児も完璧にやりたい。でも、どれもうまくいかなくて、なぜだか涙が止まらない。離乳食もしっかり作りたいけれど、頑張っても全然食べてくれない。夜中じゅう立って抱っこして、どんどん疲弊していきました。

 出産直前まで仕事をしていたので、近所にママ友もいませんでした。出産している友人も少なく、気軽に相談できる人がいない。産院で知り合いになった人とは連絡を取っていたのですが、そのうちメールの文面を考えること自体も面倒になりました。人と接することに疲れてしまったんです。

 産休・育休中なら「春になれば仕事に復帰する」というめどが立ちますが、専業主婦でいる限り、育児・家事に向き合うのが一生続くという錯覚が生まれていました。後になってみれば、新生児期の大変さは、1歳~2歳くらいになれば落ち着くと分かるのですが……当時は、この生活が一生続くのではと思い込んでいたんですよね。長い長いトンネルの出口が見えませんでした。

――そんな時に、旦那様と大ゲンカをしたと伺いました。

 はい、ついに限界がきてしまい……。夫の仕事が相変わらず激務で、「今日こそ早く帰ってきてね」と伝えても、「ごめん、今日も遅くなる」「ごめん、今日も飲み会」の連続。もう無理だ、これ以上やっていけない。そして大きなケンカをしまして(苦笑)、ようやく夫がハッと目覚めてくれました。私と向き合って、真剣に話を聞いてくれるようになりました。子どもが6カ月くらいの頃です。