家事はアウトソース 時間はタダではないから

 子どもたちが率先して家事を手伝ってくれたらいいのですが、小さい時から仕込んでいないと難しいものですね(笑)。試しに洗濯物を放置してみたら、長男は全く気にせずその山から取り出す。シーツは何週間も取り替えない。結局、我慢できなくて私がやってしまいます。息子からは「ごめん、悪気はないんだけど気が付かないんだよね」って言われます。

――家事で、何か外注をしていたりはしないでしょうか。

 掃除だけは、外注で月に2回来てもらっています。やっぱり時間はタダではないですから、買えるなら買ったほうがいいと思っていて、実は専業主婦時代から、掃除は外注しているんです。海外だと当たり前で、経済的にすごく困っているわけでなければ、収支がトントンになったとしても、その時間に他のことができるのであれば、悪くないなと思って。次男が生まれた頃からプロの掃除代行を活用しています。

――今は、「広報」のお仕事をされていますが、ご経験はあったのでしょうか。

 全く経験したことがありませんでした。「私は広報をやったことがないし、無理かもしれません」と正直に伝えたら、「大丈夫だと思いますよ!」と笑ってアサインされました。私の経歴が少々ユニークだから、取材でお会いするさまざまな方と、雑談などで使えると思ってもらえたのかな……。

 同じ広報職の男性に、ゼロから教えてもらって学びました。いろいろな方にお会いできて、毎日すごく楽しいですね。最近は、「もう少し英語を使える仕事を」と、少しずつ法務や人事のサポート業務をさせてもらえるようになりました。

 私は法学部出身で、新卒でソニーに入った時は法務に行きたいと思っていました。当時はそれがかないませんでしたが、20年以上たって、もう一回法務の仕事にチャレンジできると思うとワクワクしています。ただ、毎朝4時半起きで、夜は23時就寝。勉強時間を捻出するのが課題です。

毎朝4時半起き、夜は23時に寝ます
毎朝4時半起き、夜は23時に寝ます

――仕事に復帰しておよそ2年。お子さんはいかがでしたか?

 私がインターンの1カ月間は大丈夫だったのですが、正社員で働き始めたら、次男が寂しさのストレスで、最初の半年間は何回も熱を出したんです。当時は小4だったのですが、テレビで待機児童の話が出ると「お母さんは、子どもが小さい時は家にいたほうがいいと思う」と全力でアピールしてきたりして(笑)。

 もちろん、かわいそうだなと思って悩みました。その一方で、中学生になっていた長男は親なんて気にせず毎日を謳歌している。きっと今はお互いの踏ん張りどころなんだなと感じて、なんとか乗り切っています。

――江原さんご自身は、復帰前に心配していた「自分の体力」などの面はいかがですか?

 私自身は今のところ大丈夫そうですね。子どもが熱を出そうが、インフルエンザになろうが、私は元気に出社できています。専業主婦時代は、家に1日中いるタイプではありませんでした。PTAだ、習い事だと外に出掛ける忙しい毎日で体力がついていたようです。また、子どもの帰宅時間までに逆算して家事を片付ける時間のやりくりが身に付いていたのかもしれません。

 ただ、働き始めてからは頭の中だけでスケジュール管理ができなくなってしまいました。やることが多く私の脳のキャパを超えてしまい、子どもの歯医者の予約を何度も忘れたり、授業参観だと思って休みを入れていたら翌週だったり、塾の日程を振り替えたら、振り替えた先の日を忘れて電話がかかってきたり……。今は、予定をすべてスマホに入れるようにしています。