専業主婦経験者は4人に1人、その理由とは?

 では、実際にはどのくらいの人が専業主婦になったことがあるのでしょうか。「専業主婦」になったことがあるか聞いたところ、「今も専業主婦である」が7.4%、「以前は専業主婦だった」19.1%で、専業主婦の経験者は26.5%となりました。

 専業主婦の経験者は、なぜ専業主婦になったのでしょうか。理由の中で多かったのは、体調不良、夫の転勤、子育てでした。

自分自身が働き過ぎると、体や精神を壊してしまうことがあったから(28歳、卸売・流通、一般事務、既婚、パート・アルバイト)

切迫早産で入院することになり、実家と義実家の両方から「いいかげん仕事か子どもかを決めろ」と迫られたから。同時期に夫の転勤や疲弊していくワーママを見て、希望が持てなくなり、いろんな意味で疲れてしまった(32歳、建設、企画、既婚、会社員・一般職)

結婚退職が普通の会社だったので、次が決まるまでの間は専業主婦だった(36歳、サービス、施設管理・事務、既婚、NPO・団体職員)

夫が転勤になったから(38歳、自営、既婚、ピアノ講師)

子育てに専念したいから(42歳、飲食、販売、既婚、パート・アルバイト)

専業主婦を卒業する理由は「無気力感」「孤独」「お金」「将来」

 専業主婦になった人は、どんなときに専業主婦を卒業して、働き始めようと考えるのでしょうか。また、どんなことをしたのか教えてもらいました。

専業主婦であった期間は短かったものの、無気力感がすごかったため、専業主婦を続ける事はできないと思いました(32歳、製造、営業、既婚、会社員・管理職)

子育てと家事だけの1日と、自由に使えるお金がないことが不満だったから。ただ、仕事が生活の大半になると今度は家事も育児も大変だから、求人情報誌を読んで、通勤時間や勤務時間が短い仕事を選んだ(38歳、宿泊、接客、既婚、パート・アルバイト)

ママ友たちが次々にパートに出始め、一人社会に出遅れている孤立感を感じた時に外で働きたいと思いました。でも娘がまだ小さかったので、家にいる間に何か資格を取って、社会に出る準備をしておこうと思い、独学で通訳案内士の資格を取りました(42歳、公務員、一般事務、パート・アルバイト)

子どもが育った後の自分の人生を考えた時に、経験スキルがなくてはいけないと思った。年を重ねる前に、子育て中ではあるが、少し経験を積みたいと思い、少しずつ仕事を始めました(30歳、建設、経理、既婚、パート・アルバイト)

 今回は専業主婦になりたい理由やなりたくない理由が明らかになりました。次回は、専業主婦を巡るエピソードや、専業主婦志向と仕事・人生満足度の関係などについて紹介します。

文/佐々木恵美 写真/PIXTA