仲間内のコミュニケーションはなくなりません

 そんなとき「早く言ってよ……」という気持ちもありましたが、まあ仕方がないなとあきらめもつきました。嫌なこと(タバコ)を無理してするつもりはありませんでしたから。禁煙が世の中の主流になってくると、喫煙者たちはより結束が強くなるのかもしれません。

 その代わりといってはなんですが、最近は敬遠されがちの「飲みニケーション」には参加していました。部署を超えたメンバーを集めることも。

 もちろん「喫煙所で収集できない情報を取る」などと見え見えの下心があったわけではなく、単に飲みたかっただけ。まあ少しは「アッチがダメならコッチ」でくらいの軽い気持ちがなかったとは言いません。どこかでつながっていれば情報は回ってきますし、親交も深まるかな、という程度。部署が違う人の意見って、見方がまるで異なって聞いているだけで面白いですからね。

辺報性の法則を使って、味方を作るべし

 そこで、同じ部署ではなく他部署に求めてはいかがですか? 同期や知り合いとランチに行けばいいじゃないですか。確かに仕事に直結する情報はすぐに入って来ないかもしれません。でも、会社内の情報はいろいろ役立つもの。だとすると、他の事情に精通しているほうが有利に働くことも多いはずです。

 また、同じ部署で誰か一人を取り込むのも有効だと思います。集団に後から入るのは気が引けます。先にも言ったように、かなり難しいでしょう。だとしたら、もっとも気さくに話せる人に「この前みたいに知らないと困るから、何か仕事に関係がありそうな話題の時は教えて」と伝えておけばいいんです。そして教えてもらったら、「ありがとう、とても助かったわ」と御礼の言葉とちょっとしたお菓子でもあげましょう。

 人は何かしてもらうと、それに対して報いなくてはと思うものでそれ以降、その人は「ああ、この件は彼女にも伝えておいたほうがいいな」と自主的に気遣ってくれるはず。これを「辺報性の法則」と言います。まるで餌付けのようなものですが、別に悪いことではありません。