意外と大変! 中堅どころが担うべき3つの役割

 入社して数年がたった中堅社員は、さまざまな業務をこなさなければなりません。立場だけを見ても、「マネジャー」「コーチ」「プレーヤー」と3つの役割を担う必要があります。

部下からの期待が最も大きい「マネジャー」の立場

 「マネジャー」は担当業務の責任者。たとえ役職がついていなくても、上司がいないときに代理でチェックを行う存在です。私が見聞きしたところでは、部下や後輩がマネジャーに求めることはとても多いもの。以下にまとめましたが、私も若手の会社員時代、同じように感じていたことが多々あります。

 例えば「業務サポート/協力」の項目にある「一人より複数で取り組めばはかどる仕事は手伝ってほしい」。「手伝うから言ってね」と言ってくれる先輩もいろいろで、頼むと「二人でやったほうが早いもんね」と快諾してくれる人もいれば、「私に指図するの」とムッとする人もいたものです。当然ながら、みんなに慕われるのは前者の先輩でした。

■部下・後輩からマネジャーに求められるもの
項目 期待すること
目標管理 会社や部・拠店、チームの目標を説明してほしい
チームの目標を全員で共有したい
的確な指示出し 分かりやすく指示してほしい
指示や考え方をコロコロ変えないでほしい
業務サポート/協力 放置せず、アドバイスやヒントをもらいたい
一人より複数で取り組めばはかどる仕事は手伝ってほしい
コミュニケーション 報連相をしやすい雰囲気をつくってほしい
特定の部下・後輩だけえこひいきせず、平等に接してほしい
仕事以外でも、たまには食事やお茶をしたい
自分のことを、もっと分かってもらいたい
調整・パイプ役 上司と部下の意思疎通がうまくいくように動いてほしい
職場の問題解決に当たってほしい
他のチームや部署と交渉してほしい
職場環境づくり みんなが気持ちよく働けるよう、気を配ってほしい
セクハラ、パワハラ、メンタルヘルスに留意してほしい
セルフコントロール 公私の区別をつけてほしい
イライラなど、感情の浮き沈みをなくしてほしい


求められることのレベルが高い「コーチ」と「プレーヤー」

 続いては「コーチ」の立場です。これには「部下・後輩やパート社員の実務指導をして欲しい」という当然の業務内容に加え、「社会人として通用するよう、言動を教育して欲しい」という生活指導や、「褒めたり叱ったりしながら、やる気が高まるようにしてほしい」といった声も聞かれました。

 最後の「プレーヤー」に求められるのは「パフォーマンス」と「ロールモデル」の二つ。

 「パフォーマンス」では、「誰よりも仕事ができてほしい」「仕事のスピード、プロセス、成果のすべてがNo.1であってほしい」という、なかなかハイレベルな内容が期待されているようです。

 そして「ロールモデル」では、「『○年後は○○さんみたいになりたい』と手本にさせてほしい」「仕事を楽しみ、毎日イキイキしてほしい」「グチや悪口は聞きたくない」といったもの。要は、憧れの存在であってほしいということですね。

「誰よりも仕事ができて、楽しんでる○○さんみたいになりたい」 (C)PIXTA
「誰よりも仕事ができて、楽しんでる○○さんみたいになりたい」 (C)PIXTA