社員の声を吸い上げたがゆえの失敗も…

――他の企業がマッサージやフリースペースなどを取り入れたいと思ったときに、どんなことに気を付ければいいと思いますか?

 やはり、「利用する社員の意見を聞くこと」ですね。どんなに素晴らしい制度であっても、また他社の素敵なオフィス事例があったとしても、自分の会社に合わない、使われないのであれば意味がありません。そうした点からも、アンケートは有効だと思いますね。とはいえ、実は弊社でも声を吸い上げたがゆえの失敗談はありまして……。

 以前、好きな飲み物のアンケートを取ったところ、1位が加糖の炭酸飲料だったので、リクエストに応えて飲み放題にしたんですね。そうしたら、飲みすぎて体重が増加してしまう人が続出してしまって。健康によくないね、ということで、社内で無料提供する飲み物は全て「無糖」に限定されることになりました。これも、数多くのトライ&エラーのうちの一つなんですけどね。

稼働率・利用率を見ながら、失敗はすぐに改善するのがコロプラ流のようです
稼働率・利用率を見ながら、失敗はすぐに改善するのがコロプラ流のようです

――そんな失敗もあったからこそ、現在の環境があるんですね。とはいえ、マッサージにしても、フリースペースにしても、利用節度は従業員一人ひとりに委ねられていて、しっかり守られていますよね。何か意識づけなどはされていたのでしょうか?

 一時期、経営メンバーから頻繁に「この環境が当たり前だと思わないように」と言われたことがありましたね。会社の先人たちが頑張って作ったタイトルがヒットしたおかげで、この整った環境がある。だから、そのことに感謝しながら、今度は自分たちが次に入ってくる人たちに対して、一つでも多くの福利厚生や働きやすい環境を提供できるよう頑張ろう! と。

 いいゲームを届けるための環境であり、いいゲームを届けた結果がこの環境に返ってきているんだよ、ということですね。

子育て世代への福利厚生を推進中

――最後に、今一番力を入れてらっしゃる社内制度がありましたらぜひ教えてください。

 コロプラにも女性従業員が増えまして、結婚・出産とライフステージが変わったり、育児休暇を経て復帰される女性も増えているので、そうした女性や子育て世代の福利厚生をパッケージングした支援制度「はたらくま+(プラス)」の推進に力を入れています。

「はたらくま+(プラス)」の一環として制作された「コロプラ母子手帳」「パパ手帳」には、先輩ママ・パパたちの声がたくさん掲載されています
「はたらくま+(プラス)」の一環として制作された「コロプラ母子手帳」「パパ手帳」には、先輩ママ・パパたちの声がたくさん掲載されています

 時差出勤や短時間勤務など出勤スタイルの選択ができる「マイタイム」、結婚・出産の休暇・祝金が支給される「はれのひエール」、お子さんや配偶者を会社に招待する職場見学日「こぐま参観日」など、定番の制度にもキャッチーな名前と分かりやすい説明をつけることで、どんな支援内容かをより広く知ってもらう工夫をしています

 全ての施策に言えることですが、根底にあるのは、社員がこのコロプラで長期間、健康に働いてほしい、という思いです。「はたらくま+(プラス)」も、今はお子さんをお持ちの人に特化した内容になっていますが、今後は全社員に対応できるような支援内容を増やしていきたいというのが、コロプラの労務の目標ですね。

――ありがとうございました!

文/金澤英恵 写真/編集部

コロプラ
2008年設立。「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫プロジェクト」など、スマートフォンゲームの開発・運営を行う。創業から4年2カ月で東証マザーズ市場に上場。その後、2014年4月に東京証券取引所第一部に市場変更された。社員の健康・働きやすさを重視しており、マッサージルーム「Kuma SPA」や、コミュニケーションが取りやすいMTGデスクなど、長時間労働のイメージがあったゲーム業界では珍しい取り組みが多数存在する。オフィスづくりのコンセプトは「クリエイターの天国」。
URL:http://colopl.co.jp/

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