なぜ「人間関係で悩まない」のか
――人生プレゼンは社員の方々にどんな影響を与えていますか?
「人間関係に悩んだことがない」という声をよく聞きますね。普通なら飲みに行ったりして、少しずつその人のことを理解していくのかもしれませんが、CRAZYでは自分の想いをすべて最初にさらけ出してしまうので、誰に対してもオープンでいられる。
人間関係が良好なのはもちろん、妥協しない仕事にもつながっています。その人の「本気」を知っているので、「まだやれることがあるんじゃない?」という会話も遠慮なくすることができます。決して楽な環境ではありませんが、だからこそ質の高い仕事ができるのだと思います。
就業時間の4割が「人間関係を築くため」にある
――「人生プレゼン」をはじめ、いわゆる業務以外に割く時間が全体の4割にものぼると伺いました。一見“非効率”とも思えますが、それでも業績が右肩上がりなのは、プレゼンを通じて形成された人間関係にあるのでしょうか?
そうですね、やはり「非効率は効率だ」と思います。「人生プレゼン」以外にも、CRAZYには朝礼やランチ、社内イベントなどの人間関係を育む機会がたくさんあります。ウエディングはチームプレーです。普段から強い絆で結ばれた仲間だからこそ、最高のチームプレーができる。それが業績に結びついているのだと思います。
それに、プレゼンの場は、私たちが考える結婚式と似ています。結婚式は、「なぜ二人は結婚するのか」を親族や友人一同の前で語り、祝福してもらう門出の日。人生って素晴らしいなと心から感じます。プレゼンも同じです。妥協せずに準備した分だけ、感動は大きい。プレゼンターとして門出を迎えたことのある私たちだからこそ、素晴らしい結婚式を作り上げることができるのだと自負しています。
――「人生プレゼン」を取り入れたい企業の担当者がいたら、どんなアドバイスをしますか?
そうですね、まずは取り入れたいと思った人自身が、「なぜ取り入れたいのか」を自問し、深堀りしていく必要があると思います。「どんなチームをつくりたいのか」「今、何が課題なのか」「なぜこの会社はできたのか」など、きちんと言語化した上で仲間の「なぜ」も知りたいと思ったなら、それが取り入れる時期かもしれませんね。
実施するなら、事前に社員に意図を伝え、全員が納得した状態をつくることも大切です。社員が「やらされている」状態では、プレゼンターがかわいそうですから。
プレゼンは、あくまで手段です。大切なのは、本質と向き合い、覚悟を持って挑むこと。経歴よりもこのプロセスが大切だと思えるなら、「人生プレゼン」はとても良い制度だと思います。
――ありがとうございました!
文/藪内久美子 写真/編集部
2012年設立。1組ごとに専属のプロデューサーとアートディレクターが付くオーダーメイドコンセプトウエディング「CRAZY WEDDING」で業界を驚かせた。ケータリングサービス「CRAZY KITCHEN」や、人と人をつなぐ旅のサービス「Where」など、さまざまな分野で新事業を展開中。
URL:http://www.crazy.co.jp
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