結果を待たずに手当を設置するから志気が上がる

――男性社員から「男性にもおしゃれ手当を!」という声は出ませんか?

 コンサルタント職の男性には月4~5万円の営業手当が出ますので、今のところ特に不満の声は上がっていません。男性は営業手当でスーツを買ったり、時計を買ったりしているようです。やはり、きちんとした身なりはお客様に安心感を与えます。「自分がおしゃれをしたいから」というよりは「ビジネスマナーとしてのおしゃれ」を楽しんでいるようですね。

――おしゃれ手当、営業手当と社員への厚遇が特徴的ですね。

 弊社はクライアント企業に「人事サービスのノウハウ」を提供していますので、それにはまず自分たちがお客様の一歩先を行く人事制度を取り入れなくてはいけないと思っています。弊社は社長自ら「待遇改善をしよう」と言う社風ですので、制度の考案から実現までが早く、よいサイクルが回っていますね。

 この1年ほど、おしゃれ手当や営業手当だけではなく、ノー残業手当をつけたり、「インターバル制度」を取り入れたり、業務改善に関してはかなり積極的に行っています。

 社員には年に2回、「どんな制度が欲しいか」ということを記名式のアンケートで答えてもらっていますので、今後もユニークな制度が増える可能性は多いにありますね。

――「おしゃれ手当」を使っている人たちに望むことはありますか?

 今でも「あしたのチームさんの女性社員は、皆さんかわいいですね」と言っていただくことがあるのですが、1段階上がって「皆さん、洗練されていますね」と言ってもらえるとうれしいですね。おしゃれ手当を存分に使い、自信を持って生き生きと働いてもらいたいです。

「おしゃれ手当」があることで、職場でメイクやファッションの情報交換が「仕事の話題」として活発になったそう
「おしゃれ手当」があることで、職場でメイクやファッションの情報交換が「仕事の話題」として活発になったそう

 会社としても「業績が上がったら手当を出す」といった働くモチベーションが上がりにくい約束の仕方ではなく、まずは現時点で「キャリアの新設」「手当の設置」といった目標を示し、社員のみんなに志気を高めてもらいたいと考えています。

――ありがとうございました!

 石田さんは取材後、社内で前回のインタビューに登場した関根さん、清水さんと会うと、「あなたたちはうちの宝ですから」と声を掛けていました。「あしたのチーム」という社名の通り、みんながチーム一丸となって働く、熱い思いが伝わってくる会社訪問でした。

文/三浦香代子 写真/品田裕美

あしたのチーム
2008年9月5日設立。100名以下の中小企業、ベンチャー企業を中心に人事評価制度の構築や運用支援サービスなどを行い、導入実績は900社以上になる。国内、台湾、シンガポールなどの海外にも進出し、現在国内外の21拠点で営業している。
URL:http://ashita-team.com

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