試験がきっかけでキャリアチェンジした人も

――プレゼンでは、どういった点が評価されるのでしょうか?

 まずは「話し方」ですね。お客様に安心感や信頼感を与える話し方かどうか、語彙力や誠意ある態度かどうかを見ます。

 評価が下がるのは、「マシンガントーク過ぎる」「営業トーク過ぎる」場合。ただ、「その話し方だとコンシェルジュ職よりも営業のほうが向いている」とアドバイスがあり、アシスタント職から営業職にキャリアチェンジした人もいます。他には身なりや清潔感があるかどうかもチェックしています。

――厳しい認定試験をパスして、現在は何人ぐらいがおしゃれ手当を受給していますか?

 現在(2017年4月時点)は38人ですね。人事部でも採用活動において自社サービスの深い理解が必要ですので、コンシェルジュ職を取り、おしゃれ手当をもらっている人もいます。前回のインタビューに答えた佐藤や清水は人前に立つ仕事ですので、コンシェルジュ職・おしゃれ手当ともに必要ですよね。

「おしゃれ」はモチベーションアップにつながる

――月に最大3万円というと、会社員にとっては本当にありがたい額ですね。しかも何に使ったかの報告や領収書の提出義務もなし。中にはおしゃれに使わず、こっそり貯金したり、飲みに行ったり……という人はいないのでしょうか?

 いるかもしれませんね(笑)。でも、社内で見ている限り、本当にみんな美容費・被服費に使っていると思いますよ。以前、社内で美容費に関するアンケートを取ったのですが、平均額が月2万5000円ぐらいでした。もともと美容費を使っていたので、「手当が出て助かった」という人が多いようです。他にも「スーツをクリーニングに出せる回数が増えた」「ヒールの修理をこまめにできるようになった」といった声も上がっています。

 また、「おしゃれ手当」と銘打っていますので、「本当におしゃれや自分のために使っていいんだ!」と思い切りよく使えるみたいですね。ワーキングマザーからは「子育てをしていると自分のことは後回しになるけれど、おしゃれ手当のおかげでメイクやファッションが楽しめてうれしい。働くモチベーションが上がります」といった感想も聞きました。

 何よりも社内で美容やファッションに関する話題や情報交換が増え、社内全体の女子力が上がったように感じています。