「誰かがやらないといけない仕事」に報酬を

 ほとんど出なかったです。制度そのものの内容や趣旨に加えて、「本質を話そう」と決めていたからかもしれません。特にエストクエストは「災害時のマニュアル作成」などの堅いものから、「創立パーティーの企画」などのイベント系まで幅広いのですが、結局どれも「誰かがやらないといけない仕事」なんですよね。明確な担当部署がなく、誰に責任があるのかも見えづらいミッションは、社内にたくさんあります。普通なら、こうしたミッションは結局誰かの仕事になり、特に追加の報酬もなく、しかも大抵は一人で取り組まないといけない。こうした業務にファミリーで挑戦できる上、達成すれば報酬まで出る。実は、すごく恵まれた仕組みなんですよ。

――楽しみながら仕事ができて、社内の交流も深まり、報酬までつく。エストファミリー制度と組み合わさることで、より相乗効果を生んでいるのですね。最後に、クエスト制度を取り入れたことで、会社にはどんな効果が期待できそうですか?

 社員一人一人の強み・弱みを会社が把握するのにとても有効だと思います。何が得意で、課題はどこで、どんな領域で力を発揮する人材なのか。そうしたことを把握するには、一緒に仕事をするのが一番ですからね。社員の特性を理解できると、教育プランも立てやすくなるし、人事異動でも誰を異動させたらパフォーマンスが高いか判断しやすくなります。人事にとって、これほど有益な情報はありません。

――ありがとうございました!

文/大吉紗央里

EST corporation(エストコーポレーション)
医療・福祉業界をITでサポートするベンチャー企業。2007年の設立当初から、業界初となる健康診断情報のデータ化を提供。全国50以上の医師会、約8,000の医療機関で採用される。2014年には「働きがいのある会社」で10位に、翌年6位にランクインした。 URL:http://est-corporation.jp

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