社員で擬似家族を形成、親・兄姉・子で全社クエストに挑む

 「クエストは2種類あるんです。各事業部長から出される『事業部クエスト』と、役員・幹部陣から出される『エストクエスト』です。エストクエストは特定の事業や部署に関わらず、会社全体がよくなることを目的にしたもので、ファミリーと呼ばれるチーム単位で挑戦してもらいます」

 クエスト制度を探る上で欠かせないのが、「エストファミリー」という社内制度。部署とは別に、全社員が必ずどこかしらのファミリーに所属しているそうです。次世代の部長候補を「里親」、現部長を「里兄」「里姉」、その他の一般社員を「里子」に振り分け、部署を超えた10人前後のファミリーを形成。ファミリーは里親の苗字をとって「A家」「B家」などと呼ばれます。自分の名前でチームを背負う。若手社員にはいい経験になりそうですね。

 「マネジメントは、部署の長にならないと経験できません。でも、部署の数は限られているし、やたらと役職をつけるわけにもいかない。そこで、成長意欲のある若手をくすぶらせないために、ファミリーのトップに据えることで擬似マネジメント体験をしてもらうんです

 しかも「里親」は社長が直々にご指名。つまり、単なる「マネジメントごっこ」ではなく、本業の評価と直結している。これはクエスト達成にも力が入りますね。

 ちょうど通りがかかった女子社員に、このクエストについて話を聞いてみました。