保険は、年収の5%以内に収めよう

 杏奈さんが入っているような貯蓄型の保険は、「貯金」ではなく、「資産運用」の一つです。運用商品ですので、保険が悪いとは言いませんが、杏奈さんの場合、他の投資と組み合わせて、もっとバランスのよい資産形成ができるはずです。保険の目安は手取り年収の5%以内に収めるとよいでしょう。杏奈さんの年収は1500万円ですが、手取り年収にすると1000万円程度。よって、1000万円×5%=50万円ですので、月4万円以内を目安にすることが望ましいといえます。

 ただ、杏奈さんが掛けていた保険は貯蓄型のものが多く、それらの多くは今解約すると損してしまう商品であったため、取りあえずいったんは保留。死亡保険料が高額だった医療保険だけは解約して、月5000円くらいのお手ごろな医療保険に切り替えました。

 それにプラスして、節税にもチャレンジ! 年収が高いと、住民税が高くなったり、所得税の税率が高くなったりしますから、彼女の場合は節税することがとても大切になってきます。

 まずは、節税効果から考えて、iDeCoで限度額の2万3000円まで投資信託を買うことにしました。つみたてNISAも上限の年間40万円まで枠を使うことに。

 そして、ふるさと納税にも挑戦! 物欲があまりない杏奈さんでしたが、返礼品にはレジャー施設もあるよと伝えると、Web業界で働く彼女の検索欲が駆り立てられたのか、その場で「これにします!」と温泉宿泊券のふるさと納税に申し込んでいました。

 これだけで年間20万円ほど節税になりました。驚いた杏奈さんでしたが、もともと地頭のいい人ですから、その後すぐにマネーの勉強を始め、節税にも詳しくなっていきました。

 副業も個人事業主として開業届を出し、こちらのほうの節税もきっちりやるようになったようです。それにしても杏奈さん、何をするにも行動力があって、早い。

 これなら、結婚してもやりくり上手な家庭を築けること間違いなしですね。

<今回の学び>

今回の学び「いざというときの備えは『保険』よりも『マネー知識』」
今回の学び「いざというときの備えは『保険』よりも『マネー知識』」

聞き手・文/相馬留美 イラスト/北村みなみ