「失ったものリスト」作りを機に、人生を一大転換!

 さて次の月、私は由紀さんと一緒にコンビニのレシートを並べて、振り返ってみることにしました。

 由紀さんのコンビニ利用総額はなんと10万円!

 ちょっとの買い物のつもりが、毎月貯蓄ができなくなるほどの金額を、ここで使っていたのです。

 「『コンビニで10万円も使うなんてバカじゃない?』とみんなに言われました。私もそう思います……」と由紀さんはがっくりと首をうなだれていました。

 ですが、私はむしろうれしく思いました。なぜなら、由紀さんの場合、貯蓄するには浪費をやめるだけでいいのですから、原因を突きやめただけで、事態は大きく好転できると感じたからです。

 彼女は、この1カ月間で自分の生活を振り返り、今の会社に入って「失ったものリスト」を作りました。

 一つ目は彼氏。忙しくて時間が合わなくなり、彼のほうから別れを切り出されていました。
 二つ目は健康。運動もできず、毎週「カラダメンテナンス」に多額のお金を支払っている状態です。
 三つ目は美貌。彼女の生活習慣をお読みいただいて気付いたかもしれませんが、彼女はかなりのぽっちゃりさんでした。今の会社に来てから15キロ以上太ったそうで、それも本人にとっては不本意なことでした。

 お金を稼いでいても、失ったものの大きさをひしひしと感じた由紀さんは、私と一緒に家計、そして環境を見直すことにしました。

 まず、彼女は「失ったものリスト」を作成した結果、大きな決断をしました。転職です。

 確かにたくさんお金を稼いでいましたが、自分が自由に使える時間を大きく減らしており、その結果として彼氏には会えなくなり、運動もできず、コンビニ生活を余儀なくされていると気付いたのです。

 そこで彼女は、年収は200万円ほど下がるものの、18時には退社できる同業他社に転職。これにより、コンビニ生活から解放されました。

 さらに、職場が変わったため、その沿線に引っ越すと、家賃も数万円下げることができました。

 そうして生まれた余裕資金を、ズボラな彼女でも忘れずためられるように、先取り貯蓄でスタート。給料の1割を天引きにして、財形貯蓄を組むことにしました。

 それだけでも大きく生活は好転したと言えるのですが、早く帰ることができるようになったことでもう一ついいことがありました。

 由紀さんは、運動も兼ねて社交ダンスを習い始めたのですが、そこで年上のすてきな男性と出会い、交際することに! 結婚も視野に入っているそうです。

(ちなみに、社交ダンスのせいなのか恋愛のせいなのかは分かりませんが、体重も減り、由紀さんのスタイルはかなりよくなりました)