3.ありがとうの気持ちを伝えよう

 「ありがとう」と周りの人にきちんと伝えていますか?「そんなの当たり前じゃない」と思われるかもしれません。でも案外できていない人が多いのです。「言ったつもりだけれど伝わっていない」かもしれません。

 誰かに何かを頼んだり、お願いしたとき、何かを頂いたとき、感謝の気持ちの「ありがとう」が抜けていませんか?

イラスト/六角橋ミカ
イラスト/六角橋ミカ

 例えば資料の作成を他部署の人にお願いしたとき、苦労して作ってくれたのに「ありがとう」を言わずに、すぐに何か質問をしたり、気になったことを話したりしていませんか?

 急いでいる場合は特に、大切な言葉が抜けてしまうのです。自分で言いたいことばかり口にしてしまいます。そうすると、相手は「こんなに大変だったのにお礼もないの?」と思い、その後の会話もいいかげんに聞いてしまいます。

 もし「ありがとう、とても助かります」という言葉があればうれしい気持ちになり、また頑張ろう、と思うものです。これは会話だけではなく、メールでもそうですね。お礼も言わずに用件や聞きたいことだけを書いていませんか?

 人は誰でも感謝されるといい気持ちになります。お礼を言われたいために頼まれたことをしたり、ギフトをあげたりするわけではありませんが、大事な一言。言わなかったほうは覚えていなくても、言われなかったほうはけっこう気になるものです。

 もちろん、なんでも「ありがとう」と言えばいいわけではなく、感謝の気持ちがなければ意味はありません。「相手が部下だからやるのは当たり前」「自分はお客さんだからやってもらって当たり前」ではなく、相手が誰であっても何かしてもらったら感謝の気持ちを伝えましょう。家族間でも同じです。

 毎日「きちんとお礼の言葉を言えているかな」と意識してみてください。自然と人間関係がうまくいくようになりますよ。

文/平原由紀子 イラスト/六角橋ミカ 写真/PIXTA

この人に聞きました
平原 由紀子
平原 由紀子(ひらはら・ゆきこ)さん
「WITH YU」代表取締役。関西学院大学社会学部卒業後、老舗広告代理店に16年間勤務。03年に広告代理店「ザ・ゴール」を、16年にはクリエーターたちを集め企画・運営する 「United Editors」を設立。ファッション広告業界で女性の地位を築き上げたパイオニア的存在。近著は「大切だけどなかなか教えてもらえない 入社1年目女子仕事のルール」(日本能率協会マネジメントセンター)