エクオールは骨密度、体脂肪にも影響

 大塚製薬では、更年期症状とエクオールの関係を調査。「更年期症状が軽い人は、症状が重い人よりも、エクオールを産生していることが分かりました。40~60代の女性に、1年間毎日、通常の食事に大豆イソフラボンサプリメント(47mg)を追加して摂取してもらい、骨密度について調べたところ、産生者は0.5%の減少なのに対して、産生できない人は2%も減少という結果が得られました」(上野さん)。更年期は閉経前後約10年間といわれているので、イソフラボンを食べてもエクオールを産生できない人はこの時期に約20%も骨密度が減少することになります。

 さらに、女性にとって気になる体脂肪は、エクオールを産生できない人は、1年間で5~10%弱増加するのだそうです。「二の腕に関して調査したところ、産生できない人は1年間に8%も体脂肪が増加。産生者は2%弱に抑えられていました」(上野さん)

 エクオールを産生できるほうが、より元気で美しくいられるようですが、産生できない人はどうすればいいのでしょうか。「サプリメントを活用するのも一つの方法です。また、産生できる人でも、体調の変化や日々の食べ物の変化によって、エクオールを安定してつくるのは難しいことが分かっています。日々、体内のエクオールの量を一定に保つには、サプリメントの活用も考えられます」(上野さん)

 上野さんによると、更年期症状、骨粗しょう症の予防、生活習慣病(メタボリックシンドローム)、肌のシワなどに有意に改善できるという報告がされているのだそうです。

目尻の深いシワが改善される?

 9月から12月までの空気が乾燥していく3カ月間に、閉経5年未満の人に対してエクオールを含む乳酸菌の発酵食品を用いた試験を実施しました。プラセボと、エクオール10mg、エクオール30mgの3つをそれぞれ摂取するグループに分けて行ったところ、プラセボのグループでは、シワが深くなっているのに対して、エクオール10mgのグループではシワ面積の増加が抑えられていて、さらに30mgのグループではシワがかなり浅く、改善されているという結果が得られたのだそうです。

目尻のシワに関する試験結果も発表された (C)PIXTA
目尻のシワに関する試験結果も発表された (C)PIXTA

 「深く大きなシワは真皮の深いところまで刻まれていて、化粧品の対応では難しいものです。エクオールは血管を通って全身を巡ります。エストロゲン作用や抗酸化作用、さらに血流改善効果も合わさることで、深いところまで刻まれているシワに作用したのではないかと考えられます」(上野さん)