サロンの技を盗んで、手軽にホームケアを

 「一度はサロンに足を運んで、きちんとしたケアを受けてもらいたいのですが、お手入れした爪の美しさを継続させるためにも、正しいホームケアを身に付けてください」

 まずは、足の爪の基本的な整え方について教えていただきます。

 「基本的にはラウンド型に仕上げるようにしてください。爪切りでただ切るだけではなく、ネイルファイルで角を滑らかにしておかないと、指に刺さって危険です。爪の長さは、足の指に垂直に触れたときにはみ出さないくらいがベストです」

ネイルファイル(ショート)、1600円(KOBAKO)。小さな足の爪を整えやすくするため、ヤスリを短く設計
ネイルファイル(ショート)、1600円(KOBAKO)。小さな足の爪を整えやすくするため、ヤスリを短く設計

 長さを整えたら、爪表面の不要な角質を取り去る「ルースキューティクルケア」について教えていただきます。取材では手の爪を使って説明していますが、基本的に手も足も、やり方は一緒。

 「まずは40℃くらいのぬるま湯に、指先を5分ほど浸して、爪の回りを柔らかくします。足の場合は、お風呂上がりなどにやるとよいでしょう」

 爪の回りがふやけてきたら、タオルで水分を押さえます。その後、爪の根元から全体に「キューティクルリムーバー」を塗布します。

 「爪のくすみの原因となるルースキューティクルを、このリムーバーでさらに柔らかくして取り除きやすくします。このとき、手でリムーバーをなじませないように注意してください」

「キューティクルリムーバーを塗ることで、ケアするときの爪への負担を軽減できます。使い続けることで甘皮も柔らかくなっていくんですよ」
「キューティクルリムーバーを塗ることで、ケアするときの爪への負担を軽減できます。使い続けることで甘皮も柔らかくなっていくんですよ」

「ろうそくを削るように」爪の表面の汚れを取る

 次に登場したのが、小さいスプーンのような形状のキューティクルプッシャーという道具。これを爪の形に沿って、先端から根元に向けて滑らせるようにして削ります。

 「スプーン状の先端を、すくう部分が下向きになるようにして爪の表面に当てます。鉛筆を持つように握って、30度くらいに倒してゆっくりと削ってください。削るときはゴシゴシとこするのではなく、下敷きの上に垂らしたろうそくを削るようなイメージです」

 力を入れすぎないように、手首と手首を合わせて、支点を作ります。足の場合は、左手で足を固定して、右手の小指の付け根を足指の裏側に当てると安定します。あまり力を入れず、ゆっくりとこすると、爪の上にふわふわとした白いものが浮いてきました。

指の付け根に付いている、ふわふわとした白い塊がルースキューティクル。きちんと手を洗っても取れない汚れがこんなにあるとは、びっくり!
指の付け根に付いている、ふわふわとした白い塊がルースキューティクル。きちんと手を洗っても取れない汚れがこんなにあるとは、びっくり!

 「この白いものが、ルースキューティクルです。指で爪を触ったときに、ザラザラしている部分です。これが取れてくると、爪のくすみがなくなり、血色がよく見えますよ」

 一見汚れて見えないので今まで全く気にしていませんでしたが、爪表面にこんなに皮脂が付着していたことに驚きます。心なしか、爪もピンク色に。ルースキューティクルが浮いてくるのを見ているのが楽しくて、どんどん削ってしまいたくなります。でも、甘皮に刺激を与えないようにするのがポイントです。

 爪表面の全体を削り終わったら、キューティクルプッシャーをもう少し立てて、爪の輪郭、外側の部分を整えるように削っていきます。角度は45度くらいです。爪のサイドにできてしまう「小爪」もこれで浮かせます。

 「浮いてきたルースキューティクルは、マルチリムーバークロスで拭き取ります。クロスを指に巻きつけて、甘皮の下に爪の先を入れて、中を掃除するような感じで拭き取ってください」

ルースキューティクルを拭き取って一掃
ルースキューティクルを拭き取って一掃

 拭くときのポイントは、最後に根元から外側に向かって水分を飛ばすようにすること。拭き終わると、ささくれの予備軍になりそうな部分がちらほら出てきました。これは爪切りで切っていいんでしょうか?