サロンの技を盗んで、手軽にホームケアを
「一度はサロンに足を運んで、きちんとしたケアを受けてもらいたいのですが、お手入れした爪の美しさを継続させるためにも、正しいホームケアを身に付けてください」
まずは、足の爪の基本的な整え方について教えていただきます。
「基本的にはラウンド型に仕上げるようにしてください。爪切りでただ切るだけではなく、ネイルファイルで角を滑らかにしておかないと、指に刺さって危険です。爪の長さは、足の指に垂直に触れたときにはみ出さないくらいがベストです」
長さを整えたら、爪表面の不要な角質を取り去る「ルースキューティクルケア」について教えていただきます。取材では手の爪を使って説明していますが、基本的に手も足も、やり方は一緒。
「まずは40℃くらいのぬるま湯に、指先を5分ほど浸して、爪の回りを柔らかくします。足の場合は、お風呂上がりなどにやるとよいでしょう」
爪の回りがふやけてきたら、タオルで水分を押さえます。その後、爪の根元から全体に「キューティクルリムーバー」を塗布します。
「爪のくすみの原因となるルースキューティクルを、このリムーバーでさらに柔らかくして取り除きやすくします。このとき、手でリムーバーをなじませないように注意してください」
「ろうそくを削るように」爪の表面の汚れを取る
次に登場したのが、小さいスプーンのような形状のキューティクルプッシャーという道具。これを爪の形に沿って、先端から根元に向けて滑らせるようにして削ります。
「スプーン状の先端を、すくう部分が下向きになるようにして爪の表面に当てます。鉛筆を持つように握って、30度くらいに倒してゆっくりと削ってください。削るときはゴシゴシとこするのではなく、下敷きの上に垂らしたろうそくを削るようなイメージです」
力を入れすぎないように、手首と手首を合わせて、支点を作ります。足の場合は、左手で足を固定して、右手の小指の付け根を足指の裏側に当てると安定します。あまり力を入れず、ゆっくりとこすると、爪の上にふわふわとした白いものが浮いてきました。
「この白いものが、ルースキューティクルです。指で爪を触ったときに、ザラザラしている部分です。これが取れてくると、爪のくすみがなくなり、血色がよく見えますよ」
一見汚れて見えないので今まで全く気にしていませんでしたが、爪表面にこんなに皮脂が付着していたことに驚きます。心なしか、爪もピンク色に。ルースキューティクルが浮いてくるのを見ているのが楽しくて、どんどん削ってしまいたくなります。でも、甘皮に刺激を与えないようにするのがポイントです。
爪表面の全体を削り終わったら、キューティクルプッシャーをもう少し立てて、爪の輪郭、外側の部分を整えるように削っていきます。角度は45度くらいです。爪のサイドにできてしまう「小爪」もこれで浮かせます。
「浮いてきたルースキューティクルは、マルチリムーバークロスで拭き取ります。クロスを指に巻きつけて、甘皮の下に爪の先を入れて、中を掃除するような感じで拭き取ってください」
拭くときのポイントは、最後に根元から外側に向かって水分を飛ばすようにすること。拭き終わると、ささくれの予備軍になりそうな部分がちらほら出てきました。これは爪切りで切っていいんでしょうか?