10月は、経済・金融関連の講演の機会に恵まれた1カ月でした。というのも、10月4日は日本証券業協会が定める「投資の日」であり、証券知識を深めようというイベントが多いからなんですね。そして、年々女性が増えているのを肌で感じます。

 2017年からは、確定拠出年金に20歳以上は原則誰でも入れます。結果、投資の知見を伸ばしたいというニーズは高まっているようです。特に、株式投資など会社を見定めるために培った知識は、アラサー女性が一度は考える転職にも活かせます! 今日は、投資・転職の際に、絶対に知っておくべき、会社を見極める方法の一つを解説します。

転職するなら安心・安全な会社に転職したい

 転職は一大決心なわけです。早々に経営危機に陥りそうな会社に進んで入りたいとは思いませんよね。これまで様々な企業、その経営陣を取材してきましたが、経営危機の会社には、往々にして、非常に厳しい空気が流れています。社員の方々を見ても、大変そうな感じが伝わってくるものです…。

転職したらすぐ倒産した…なんて事態は避けたい(C)PIXTA
転職したらすぐ倒産した…なんて事態は避けたい(C)PIXTA

 こうした話をすると、「いやいや。転職するときは、ちゃんと黒字を確保している会社を選んでますよ!」と返されることがあります。さらには、「売上高も営業利益(本業の儲けを示す指標)も、伸びてる会社を選択しているから大丈夫!」という声も。これは、転職だけでなく、株式投資を行っている人も同じです。

 でも、本当に大丈夫なのでしょうか?

 ここで、知っていてほしいのが「黒字倒産」という言葉です。これは、会社の業績を示す決算書では黒字の利益を出しているにも関わらず、経営が立ち行かなくなり倒産することを意味します。

 もちろん、大手の上場企業でも起こる話です。2008年リーマンショックのときも、上場企業倒産件数の約半分が、「黒字倒産」でした。増収増益(売上高も営業利益も、前年より伸びている会社)を出していたら、安心安全な会社というわけではないようです。