そもそも女性活躍と企業業績に、明確な関係はあるのか?

 世界中で、上記のような要因を考慮した女性活躍推進と企業業績に関する研究が行われてきました。この結果を見ると、国によっては女性管理職や取締役の多いと業績が比例する傾向が確認されています。しかし、逆に女性登用に積極的な企業ほど、業績がパッとしない企業が多いとの報告もあります。 

 その他には、コーポレートガバナンス(企業統治)のレベルが低い企業だと、女性取締役が多いと業績が比例する関係が存在するという報告されています。ただ、必ずしも、女性推進によって、全ての企業に明確な業績改善がみられるわけではないようですね。

 では、肝心の日本ではどんな傾向でしょうか。

 2000年代前半の約5000社の日本企業を対象にした論文を見ると、時代・業種・企業規模…といった女性活躍推進と関係しうる要因を一定としても、特定の業種に至っては女性管理職の多さと企業業績の良さは強く比例する関係が報告されています。じゃあ、なぜいいいのか? この波及経路を更に探ってみると…