人生は続いている! トータルで考えよう

 ご覧いただいたように、年収から差し引かれる社会保険と税金を賢く活用すると、メタボな保険をカットすることができ、浮いたお金でiDeCoに加入して老後資金の準備を始め、それによって納める税金を少なくする……というお金のプラスの循環をつくることができます。

 また、納税額、特に住民税額が下がるということは、ふるさと納税の目安額が下がりますし、子育て家計にとっては教育費への影響もあります。

 例えば、iDeCoの控除は保育料の算定時にも考慮されるため、iDeCoを行うことで保育料の区分が下がれば、保育料も安くなります。でも、ふるさと納税をして住民税がいくら下がっても、保育料の判定には影響はありません。

 一方、高校の授業料無償化(高等学校等就学支援金制度)を判定する際の住民税では、iDeCoもふるさと納税も差し引いた後の納税額で判定するため、ふるさと納税で住民税が下がれば、無償になるかならないかに影響があります。

著者作成
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 このように、お金の知恵は目の前の出来事だけではなく、いろんなことが関わり合って動いています。だからこそ、トータルプランニングの考え方が重要なのです。

目の前の出来事だけではなく、「トータル」で考える癖をつけましょう (C)PIXTA
目の前の出来事だけではなく、「トータル」で考える癖をつけましょう (C)PIXTA

 今回で連載は終了となりますが、読者の皆様が連載タイトルの通り「お金と賢く生きていく」毎日を送っていただけましたら何よりもうれしく思います。長期間の連載のご愛読、ありがとうございました。

 これからのあなたの毎日が、楽しくお金を使える人生でありますように。

文/前野彩 写真/PIXTA