2.地震保険料控除とは

 「地震保険料控除」の欄は、自宅の建物や家財の地震保険に加入している人が記入します。

 損害保険会社から届いた地震保険料控除証明書に記載された保険料について、最大5万円まで控除を受けることができます。

 なお、ご相談者から、昨年の源泉徴収票を見て、「地震保険に入っていないけれど、地震保険料控除があるのはなぜですか?」という質問をたまに頂きます。これは、平成18年12月31日以前に、10年以上の積立型の満期返れい金がある損害保険に入っている人が、「旧長期損害保険料」として申告すると、地震保険料控除の対象となるからです。職場で管理している場合などは、加入状況が職場で分かるので、本人が申告していなくても年末調整で控除してくれることがあります。

3.社会保険料控除とは

 「社会保険料控除」の欄に記入する必要があるのは、主に次のような人です。

・学生納付特例を使っていた時期など、過去の国民年金保険料を遡って納めた
・家族の国民年金保険料や国民健康保険料を納めた など

 社会保険料控除の対象となる社会保険料には、厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険、国民健康保険、国民年金、国民年金基金、付加年金等があります。国民年金保険や国民年金基金については、厚生労働省や国民年金基金から社会保険料控除証明書が届きますから、証明書に従って記入して、提出します。

 なお、会社員本人も社会保険料を納めていますが、給料天引きで納めている社会保険料は会社が把握しているため、年末調整で申告する必要がありません。そのため、会社員でこの欄を書く人は多くないようです。

4.小規模企業共済等掛金控除とは

 「小規模企業共済等掛金控除」の欄に記入するのは、主にiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している人です。

 iDeCoに加入している人には、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金控除」の証明書が届きます。圧着はがきを開いた右側に「本年9月までに払い込まれた金額」と「10~12月に払い込まれる予定額」が書いてありますから、この「合計金額」を書きます。詳しくは、こちらの記事「税金が安くなる『年末調整』 iDeCoの書き方」をご覧ください。

 なお、企業型の確定拠出年金で給料天引きで行っているマッチング拠出については、会社が把握しているので、個人で申告する必要はありません。

去年とどこが変わったの?

 さて、ここまで保険料控除申告書の書き方をお伝えしてきましたが、昨年まで書いていた年末調整の書類とどこが変わったかお気付きでしょうか。

 昨年までは、保険料控除と配偶者特別控除は1枚の書類で申告することになっていましたが、今年からは、2枚に分かれたのです。その理由は、配偶者控除&配偶者特別控除が複雑になったから。ということで次回は、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書き方についてお伝えしますね。

文/前野彩 写真/PIXTA